神奈川県内の熱中症による救急搬送者数(5月から9月の確定値)は、2025年に過去最多の4972人を記録した。
気候変動による気温の上昇などの影響により、人々の熱中症予防の対策に変化がないと仮定すると熱中症の救急搬送者数はさらに増加することが予測される。
この予測に抗うべく、神奈川県は2024年から大塚製薬・ファミリーマートとの三者連携で熱中症対策の啓発に取り組んでいる。
三者連携の啓発は、ファミリーマート店内のデジタルサイネージ「ファミマTV」で放映される神奈川県独自の熱中症対策啓発動画でなされる。
「ファミマTV」は、神奈川県内約1000店舗のうち724店舗に設置。今年は、6月30日から7月13日の期間、動画を1時間に6回放映している。動画秒数は15秒。未設置店では店頭ショーカードなどの設置により売場から熱中症への注意喚起を促している。

7月1日、「ファミリーマート サンズ東戸塚駅西口店」(神奈川県横浜市)で三者合同取材会に臨んだ神奈川県健康医療局保険医療部健康増進課健康づくりグループの桑江仁美氏は、過去2年の三者連携について「(動画で)自然に目に入る形での啓発は、大塚製薬さまとファミリーマートさまにご協力をいただいて初めて実現した。繰り返し目にしていただき、毎日実践いただくことがとても大切であり、その点、県民の方が毎日訪れるコンビニでやっていただき非常に手応えを感じている」と振り返る。
昨年は、4972人の救急搬送者数のうち65歳以上の高齢者が52.1%(2594人)を占めたことを受け「どうしてもご高齢の方は自分事として捉えていただくのが難しいケースがある。『ファミマTV』を見られたご家族の方から親御さんに伝えていただいて実践いただくようなことも期待している」と語る。
神奈川県健康医療局保険医療部健康増進課健康づくりグループの實方(さねかた)千帆主任技師も「小さいお子様は体温の調節がしづらく、ご高齢の方も喉の渇きや暑さを感じにくいところがあるため、そのような方たちには声掛けが必要」と呼びかける。
家庭内で救急搬送者が増えていることにも触れ「正しくエアコンを使い、部屋を涼しく保っていただきたい」と述べる。

ファミリーマート神奈川リージョン港南営業所の神場崇営業所長は、「ファミマTV」の神奈川県ならではの対応について「ロゴや言葉の使い方を変えてアレンジしている」と説明する。
大塚製薬は2016年に神奈川県と包括連携協定を締結し、2023年からはファミリーマートと熱中症対策の啓発に取り組んでいる。
大塚製薬ニュートラシューティカルズ事業グループ首都圏第二支店の佐々木啓吾支店長は「熱中症対策においては正しい知識の普及とともに、適切な水分・電解質補給の実践が何よりも重要」と話す。
なお、「ファミマTV」の旧名は「FamilyMartVision」。4月14日に改称した。

