加工食品漬物紀州梅、秀品率は大幅改善 ...
エコプロ2026

紀州梅、秀品率は大幅改善 高まる関心、縮む日常接点 不作常態化で産地は

 本紙が5月末に行った地元JAなどへの聞き取りによると、主力の南高梅は平年比6割程度にとどまる見通し。県発表によると、今年の雹害による被害総額は2億3420万円。前年の過去最悪となる47億7830万円から大幅に縮小した。品質も良好で、秀品率は前年から大きく改善する見込みだ。

 しかし、近年の不作は一過性の気象要因にとどまらず、猛暑や少雨、樹齢の高まり、それによる収穫後の樹勢回復不足など、産地の構造的な課題を映している可能性がある。

 取材先からは「従来と同じ管理では木の体力が持たなくなっている」との声も聞かれ、気候変動を前提とした栽培管理が求められている。

 中国産についても価格上昇が続いており、現地の作柄や調達動向には不透明感が残る。国産梅の高騰と不足を受け、量販の売場は縮小傾向が進む一方、格安量販では輸入業者による中国完成品の展開が増えてきている。国内メーカーには国産・中国産問わず、品質や安全性、味づくりなど付加価値の訴求が一層求められそうだ。

 SNSでは梅本来の味わいを訴求する白干し梅への関心も高まりつつある。一方、和歌山の梅業界は、はちみつ梅やかつお梅をはじめ、多彩なフレーバー商品や食べ比べ提案などを通じて市場を広げてきた背景がある。専門店やアンテナショップ、催事などでは、塩分濃度や味わいの異なる商品を取り揃え、梅の魅力を発信する取り組みが活発だ。梅干は本来、日常食としての習慣性に、味わいや食べ比べといった嗜好性を重ねられる商品だ。

 しかし近年は、米飯消費の減少や原料不足を背景に日常的な接点が弱まり、専門店や催事で高まる「体験価値」を、量販の売場や食卓へどうつなげるかが課題となっている。

関連記事

インタビュー特集