宝グループではコア事業と位置付ける「和酒」を中心に、国内外でのブランド展開を加速させる。
昨年に公表した50年までの長期ビジョン実現に向け、30年度までの中期経営計画をこのほど策定。ブランド育成による国内市場での和酒拡大と、調味料も含めたグローバル展開の強化を掲げる。
タカラバイオグループの試薬や遺伝子医療など不採算事業の立て直し・一部撤退を急ぐとともに、宝酒造では安全・安心と生産体制の再構築に向けた製造拠点の整備などに5年間で352億円の投資を行う計画。
5月19日の事業方針説明会で、宝酒造の渋谷尚己社長は「国内で安全・安心を第一に宝酒造のさまざまなブランドの価値を高めて宝ファンを獲得。国内外で支持される強いブランドを育成し、世界の市場に向けて和酒や調味料を拡大させる」と表明。
また「焼酎ハイボール」「澪」「極上〈宝焼酎〉」「タカラ本みりん」などの重点ブランドについて「当社ならではの差異化された品質やおいしさ、ベネフィットをより多くのユーザーにお届けすることで愛されるブランドへと育成する」との考えを示した。
今年から展開する新企画では「お酒割って、話そう。」とのメッセージとともに、甲類焼酎「極上〈宝焼酎〉」や本格芋焼酎「ISAINA」、清酒「松竹梅 瑞音」など同社の“割って飲むお酒”の魅力を発信。自由な楽しみ方の提案で和酒カテゴリー活性化を図る。
無炭酸チューハイに挑戦 新ブランド「するり」

缶チューハイなどのソフトアルコール(RTD)カテゴリーでは、発売20周年の「焼酎ハイボール」の幅広いフレーバーでニーズに応える。度数7%のレギュラーシリーズとともに、若年層の支持を獲得する「キレの5%」シリーズも、ビール類からのユーザー流入の受け皿としてラインアップを拡充する。
ノンアルチューハイ「辛口ゼロボール」には、大容量500㎖缶とともに〈ジンジャーエール〉が登場。また新たな挑戦として、無炭酸チューハイ「するり」を新発売する。焼酎のお茶割りブームが続く若年層を中心に「お茶割り以外の無炭酸」の要望が寄せられていたといい、需要創出に取り組む考えだ。
発売15周年を迎える日本酒「松竹梅白壁蔵 澪」からは、限定品〈洋梨のような香り〉を発売。“香り系日本酒”の「昴」とともに、海外向けのブランド展開も加速させる。
焼酎では、同社ならではの樽貯蔵熟成酒を3%使用した「極上〈宝焼酎〉」を継続訴求。炭酸割りのおいしさを繁盛料飲店から発信し、甲類の価値向上を目指す。全量芋焼酎「ISAINA」からは、缶入りで気軽に楽しめる「芋焼酎ソーダ〈レモン〉」が登場する。
近年こうした焼酎のソーダ割りやお茶割り、日本酒などの缶製品が増加傾向をみせるなか、ベースアルコ―ルのおいしさを手軽に味わえる「和のRTDコーナー」作りに着手。他社製品も含めた売場づくりの提案で、和酒の活性化を狙う。
「市場の右肩下がりが予測される和酒の活性化へ、トライアルユーザーの獲得が必要。乙類焼酎の缶や小容量の日本酒缶、お茶割り缶などが若年層から評価され、量販店からも『ぜひやろう』と共感いただき手ごたえを感じている。焼酎や清酒のナンバー1としてカテゴリーを活性化させることが、当社の実績アップにもつながると考えている」(渋谷社長)。



