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飲料系飲料ダイドー、若年層を自販機に振り向かせる新商品 コメ入り「旨辛ユッケジャンクッパ風スープ」と「バスクチーズケーキ」投入
2025台湾食品調達商談会 in Osaka by 台湾貿易センター

ダイドー、若年層を自販機に振り向かせる新商品 コメ入り「旨辛ユッケジャンクッパ風スープ」と「バスクチーズケーキ」投入

 ダイドードリンコは、コメ入りスープとスイーツの新商品で、若年層が自販機に振り向く機会をつくる。

 9月24日、新商品メディア懇話会に臨んだ中島孝徳社長は「スープやスイーツの新商品の話題性によって、将来の長いお客様にもなる若い世代を積極的に狙っていきたい」と意欲を示す。

 同社の売上の約9割を占める自販機チャネルでは、若年層の取り込みが課題となる。

 自販機市場のメインユーザーは30代-50代の男性と推定される一方、同社の自販機は缶コーヒーの品揃えに重きを置いているため、自販機市場と比べてユーザーは高齢化している。

 高齢化の課題解消に向けて「商品や自販機のインターフェースによって価格・利便性・楽しさを若年層には訴え続け、どうせ利用するならダイドーを、と思っていただくことが重要」と語る。

 楽しさを打ち出した秋冬新商品のうち、注力商品のひとつは10月6日に発売される「旨辛ユッケジャンクッパ風スープ」。

 同商品は、2021年から販売している「お米入り缶スープ」シリーズの新商品で、独自の特許製法でコメを丸ごと具材化。これにより午後の小腹満たしの需要を獲得していく。

 同シリーズでは、これまで「鯛茶漬け風スープ」など和風の商品を多く販売。今回は20-30代の男女をメインターゲットに定め、若年層に人気の韓国ブームに着目して開発した。

 中味はコチュジャンをはじめとする韓国調味料をベースに、クッパのような味わいに仕立てた。パッケージもこれまでのシリーズの商品とは異なり、黒と赤で目を引くデザインを採用している。

左からダイドードリンコの中島孝徳社長、坂本大介執行役員マーケティング部長
左からダイドードリンコの中島孝徳社長、坂本大介執行役員マーケティング部長

 坂本大介執行役員マーケティング部長は「若い方に自分達向けだと感じていただける商品によって、トライアルのきっかけを作りたい」と述べる。今年は定番のコーンスープと新商品の2品体制でスープ飲料を展開する。

 新商品によって、缶入りスープ市場全体の拡大も視野に入れる。缶入りスープは製造上の課題が多く、コーンスープ以外が定着しにくい中、コメ入りという独自性に勝算を見込む。
 「お米は日本人にとって親しみがあり、様々なメニュー展開が可能。お米入りは小腹満たしになるとともに、缶スープ市場の拡大のポイントになる」と期待を寄せる。

 中島社長は「缶入りスープ市場がコーヒーや水やお茶ほど広がるとは思っていないが、コーンスープのように市場を広げるパイオニアになりたい。新しい挑戦によって、普段はダイドーを使わないお客様や、そもそも自販機を使わないお客様にもダイドーの自販機の前に立っていただき、親近感を持っていただきたい」と力を込める。

 もう一つの注力商品「バスクチーズケーキ」は、デザート飲料ではなく振って飲めるスイーツとして開発。「旨辛ユッケジャンクッパ風スープ」と同様に20-30代をメインターゲットとし、9月8日から発売している。

 中島社長は「当社ではお手頃価格の『ハートプライス』シリーズが好評など、メリハリ消費の流れが進んでいる」との見方を示し、メリハリ消費の中のご褒美需要に対応した商品と位置付ける。

 坂本氏は「飲料の中のスイーツドリンクではなく、スイーツの中の選択肢に入れていただきたい。飲料としてはやや高めだが、コンビニスイーツなどと比べると決して高くはなく、量的にも満足感がある」と述べる。

 開発には約3年を要し、スイーツとして遜色ない原料や、硬すぎず柔らかすぎない食感にこだわって完成させたという。

 「旨辛ユッケジャンクッパ風スープ」は185g缶、希望小売価格は税抜140円。「バスクチーズケーキ」は170gボトル缶、希望小売価格は税抜220円。

 なお、中島社長は自販機市場の課題に価格を挙げる。

 「中学生や高校生の時に自販機を使われていた方が、社会人になって使わなくなる理由の一つは価格だと考えられる。他のチャネルよりも高いから自販機では買わない、という流れがここ4、5年で起きている」と中島社長は指摘する。

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