即席麺総需要 24年度は歴代2位、60億食に迫る 手軽さ・おいしさで再評価

日本即席食品工業協会調べによると、2024年度(4~3月)の即席麺総需要は前年比4.1%増、59億8347万食だった。過去最高の22年度(59億9140万食)に次ぐ歴代2位の数量で、再び60億食の大台が迫ってきた。物価高で消費者の生活防衛意識が高まるなか、安価・簡便・おいしさなどを備えた即席麺が再評価されている。

この数字はロングセラーなど定番商品の多くが該当する「JAS品」(構成比73%)、プライベートブランド(PB)や輸入品などの多くが該当する「非JAS品」(同24%)、「生タイプ」(同3%)の合計。史上初めてだった2年連続(22~23年)の価格改定を経て店頭売価は上がったものの、上位メーカーは主力のナショナルブランド(NB)をテレビCMや新商品などで強化しながら、消費者ニーズの高い低価格商品やPBにも柔軟に対応し、他の主食に比べてコストパフォーマンスが高い状況を維持している。

月別の実績をみると、12か月のうち8か月で前年クリア。夏場は猛暑・残暑に見舞われながらも堅調に推移し冬場は各地で発生した大雪も需要を押し上げたとみられる。

カテゴリー別は、カップ麺(構成比66%)が39億5540万食、4.4%増で牽引。特に下期から10月16%増、11月4%増、3月9%増など顕著に伸びており、これまで以上に簡便性(タイパ)を重視するトレンドがうかがえた。袋麺(同34%)は20億2807万食、3.3%増とこちらも順調な推移。1食当たりの割安感が支持されている。

協会調べによる小売金額の推計値は、カップ麺が6293億円、6.9%増、袋麺が1674億円、6.0%増、合計が7967億円、6.7%増。

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