イオン 小商圏向け業態の出店強化 モールのノウハウでSC価値向上

イオンの吉田昭夫社長は、イオンモールなどグループ企業の完全子会社化に関して2月28日に記者会見を開き、「イオンモールの不動産を柔軟に活用するとともに、店舗デザイン等のノウハウをグループ内の多様なショッピングセンター(SC)へ波及させ、バリューアップを図っていきたい。特に今後は都市部への人口集中や地域間格差の拡大が見込まれ、各エリアのニーズを満たす店舗の開発が重要性を増すと考えている」と話した。

イオンは同日付で、株式交換によりイオンモールを完全子会社化する協議開始に向けた基本合意書を締結したと発表した。

グループとしてイオンモールなどのキャッシュ創出力をさらに高めて、海外やR&Dへの投資が加速する好循環を目指す。

足元の状況について、吉田社長は「建築コストが2000年比で3倍に高騰するなど事業環境が大きく変化している」とした上で、「イオンモールはこれまで敷地規模3~4万坪、駐車台数3000~4000台のリージョナル型ショッピングセンター(RSC)で成長してきた。これからも同形態の出店は継続するが、社会環境の変化を背景にマーケットとして先行き不透明な部分がある。今後は近隣の小商圏をターゲットにしたネイバーフッドショッピングセンター(NSC)の出店を強化していく。特に地方はクリニックモールやコミュニティ施設を備え、1か所で生活のほとんどを済ませられる業態のニーズが高まってくる」と展望。

物販のみならず、社会インフラとしての機能を持つことが重要性を増すとし、「イオンモール、イオンタウン、イオンリテールがそれぞれデベロッパー機能を持っているが、グループとして整理しながら新たなフォーマットの開発や出店戦略を図っていく」とした。

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