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夏に売れた餅 いまだ家庭に? 本番突入の商戦、影響は

今年の新語・流行語大賞にもノミネートされた「令和の米騒動」。この夏、品薄となったコメ売場では代わりにパックごはんや麺類などが並べられた。そんななか一部スーパーで代替品として販売された包装餅も、季節外れの需要をつかんで売れ行きを伸ばした。あのとき売れた餅は、きちんと食卓に上ったのだろうか?

「相当残っているのでは」

夏に餅が売れた。

TVやネットで「コメ不足」が喧伝されるようになった8月ごろにかけて、店頭では包装餅の販売量が急増。POSデータによれば、7-9月の販売数量は162%と急増(㈱マーチャンダイジング・オン RDS市場データ スーパー全国/収集店舗数3800店=24年5月時点)。

同時期としては、コロナ特需があった20年をも大幅に上回る実績を記録した。

ただ、餅は圧倒的に「冬の食べ物」。下のグラフをみれば分かるように、この期間の販売量を合計しても、最盛期である12月の物量に比べれば微々たるもの。とはいえ、前年比数%の増減を争う商戦への影響は軽視できない。夏に売れた餅が、家庭で順調に消費されたのかは気になるところだ。

業界では「まだ家庭内在庫が相当残っているのでは」とのささやきも聞かれる。今月の販売数量に与える影響が読めないだけに、メーカー各社は気をもむ。

「うちは安パイ路線。家庭内在庫が消化され、前年並みの商戦を迎えることを信じて生産している」。11月中旬、メーカー関係者が語った。

しかし年間の生産能力は限られている。出荷が前倒しで進んだ今年は、年末にも例年並みの需要があると在庫が途切れる懸念も。特売条件を抑制するなどして、販売量を抑えているケースもあるようだ。

餅商戦はいよいよ本番。原料米価格の高騰を背景に、来春には値上げも相次ぐ見通し。業界関係者にとって、例年以上にぴりぴりとしたシーズンを迎えている。

包装餅販売数量

(12月2日付本紙に「包装餅特集」)

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