7.6 C
Tokyo
6.1 C
Osaka
2026 / 01 / 30 金曜日
ログイン
English
飲料嗜好飲料「水素焙煎コーヒー」新局面 研究・試作経て実用化へ 来春に本格発売 UCC上島珈琲

「水素焙煎コーヒー」新局面 研究・試作経て実用化へ 来春に本格発売 UCC上島珈琲

UCC上島珈琲が取り組む「水素焙煎コーヒー」が研究・試作の段階から実用化の段階に進んでいることが明らかになった。

10月9日、スペシャルティコーヒーの展示会「SCAJ2024」の出展ブースで取材に応じたUCC上島珈琲の藤原朋宏SCM本部生産部安全・設備課係長は「今までは水素や水素焙煎についての研究や試作を行っていたが、今は水素焙煎でどのような製品を作るか、どのようにカテゴリーを確立していくかという、商業ベースに向かうフェーズに入った。将来的には(小売店で)水素焙煎コーヒーの棚を作りたい」と説明する。

水素焙煎コーヒーとは、コーヒー豆を焙煎する際に、水素を熱源として使用したコーヒー。天然ガスの代わりに水素を熱源とすることで、焙煎時にCO2を排出しない。

同社が使用する水素は、官民・他業界の垣根を越えた連携とNEDOの採択を受けて開発されたP2Gシステムを使う。再生エネルギーをベースとした電気で水の電気分解によってつくられるため実質的にCO2フリーの熱源となる。

環境負荷低減に加えて、水素を熱源とする焙煎はコーヒーの味わいのバリエーションにも貢献する可能性も浮上。

水素を熱源とすることで、ガスと比べて、弱火から強火までの熱のかけ方でより広い幅が出せる。水素にしかできない焙煎プロファイルにより、豆の産地によって異なる個性をより引き出すことが可能であることが判明した。

例えば、華やかな風味を特長とするエチオピアのイルガチェフェ地方産のコーヒーは、水素焙煎によってよりフルーティでフローラルな味わいを引き出す。

藤原係長は「水素焙煎の可能性を模索し、水素の認知も広がってきて、ようやく“最初の一杯”にたどり着いた」と力を込める。

同社は水素焙煎の研究を進め、2023年5月、協力企業のヒートエナジーテック社と共同で水素焙煎に関する発明について共同で特許を出願。

その後、トヨタモビリティ東京との協働や関連イベントでのコーヒー提供などを行い、量産化の計画にまでたどり着いた。

水素焙煎を本格的に始動させながら、カーボンニュートラルの達成に向け、今後も焙煎時の熱源の可能性を探る。「水素以外にも、電気やアンモニア、コーヒー残滓を活用したバイオコークスなど、別の熱源の利用も視野に入れている」と意欲をのぞかせる。

「SCAJ2024」のブースでは、通常の焙煎と水素焙煎のコーヒーの飲み比べが実施されたほか、本格展開を前に、一足早くワンドリップコーヒー(1杯分・5杯分セット)を販売した。

販売されたドリップバッグ
販売されたドリップバッグ

同商品は、10月9日から「UCCカフェメルカード」13店舗および公式オンラインストアで数量限定販売。「UCCカフェメルカード」では、炒り豆100gも同日に販売を開始した。

ブースではそのほか、同社の最先端の取り組みを紹介した。

「UCC&Healthy」のコーナーでは、9月に新発売した「スペシャルブレンド」を中心に、コーヒーに含まれる健康成分の解説と試飲を実施。

“食べる”コーヒーとして昨年11月に発売した「ヨインド」の試食では、「SCAJ2024限定味覚」の「ヨインド」が提供された。コーヒー豆を粉砕して作る製法や、それにより味や香りを丸ごと味わえるといった特長を参加者にアピールした。

関連記事

インタビュー特集

カキ養殖の展望を聞く〈前編〉 “殻付き”市場拡大 環境変化と効率化に対応 シーパジャパン・吉本剛宏社長

瀬戸内海で養殖カキが甚大な被害を受け、生鮮市場だけでなく加工メーカーや流通にも影響が及んでいる。こうした中、従来の養殖方法とは異なるシングルシード養殖法が注目されている。

繋げる、繋げる、繋げる たこ焼きコミュニケーション足掛かりに TKO・木本武宏さんが次のフェーズへ

STUDIO TAMUROはお笑いコンビ「TKO」木本武宏さんの活動拠点。木下さんの実妹・大岡真裕美さんが代表を務める「オフィスTAMURO」が運営し、トークライブや、YouTube番組作成スタジオとして利用してきた。昨年5月からは新たな活動として、毎月3日だけ営業する「たこ焼き店」がスタートした。

SST=“サミットの仕事が楽しい”へ 新たな競争軸を作る 服部哲也社長

――中期経営計画の進捗はいかがですか。― 服部 「良い×強い=最強」という言葉を掲げた中期経営計画「頂(イタダキ)2025」は、最終年度を1年延長して26年度までとした。

食品産業センター 荒川隆理事長に聞く 「食サス」設立でサステナ課題深掘り フードサプライチェーン全体の連携で

日本の食品産業は、国内外から調達された農畜水産物を原料として、健康で豊かな生活を送るために必要な加工食品を安定的に製造・供給する産業として発展してきた。

小川珈琲、バリスタ育成とコーヒー産地での活動に先駆的に取り組みブランド力向上 基盤強固に新事業を展開 宇田吉範社長CEOが意欲

9月1日から現職の宇田吉範代表取締役社長/CEOは、バリスタとコーヒー産地での活動に先駆的に取り組み、小川珈琲のブランド力を引き上げた立役者。