ハウス食品グループは保育園で夕飯のおかずを販売する新規事業「タスミィ」の第二弾事業実証を開始した。10月から無人販売に対応した専用什器を採用。新たな販売形態に転換して「タスミィ」を導入する保育園を増やし、事業実証の範囲を全国へ拡大する。今期(2025年3月期)は「100園への導入」を目標に事業成長を目指す。
「タスミィ」はグループ内の新規事業創出プログラムから生まれた新規事業。大人も子どもも満足できるおかずを、保育園の無人販売什器で必要な分だけ購入できる事業で、保育園で働く管理栄養士監修のメニューを、レンジ対応のレトルトパウチ1袋に「大人1人前+子ども1人前」の分量で販売する。
ハウス食品グループ本社の子会社で新規事業の実証を行うパッチワークキルトが2023年4月から首都圏にある10園を対象に自動販売機による事業実証を開始。保育園の外に設置した自動販売機による園外販売を始めたところ、開始当初から好評を博し、全国各地の保育園からも導入希望が寄せられたという。
当時は十分な商品在庫がなく、導入希望に沿えなかったが、今回、生産体制の拡充見通しが立ったことと、自動販売機よりもメンテナンスや取り扱いが簡便で保育士の負担にもなりにくい無人販売什器による園内販売、保育園が商品を買い取り園内で販売する形式に転換したことで、導入保育園は今後導入予定の保育園を含め、栃木県、埼玉県、千葉県、静岡県、大阪府、岡山県の計22か所に増えたという。
無人販売什器による園内販売への転換に合わせ、保護者向けのモデルチェンジと保育園向けのモデルチェンジも実施した。前者については、こだわりの味づくりを強化する一方、メニューやおいしさが伝わりやすく、子どもがより親しみやすい商品デザインに刷新。8種類の人気メニューを販売する。後者については、無人販売什器を無料でレンタルでき、また商品をECサイトで発注できるようにした。