サントリー食品インターナショナルのペットボトル(PET)コーヒー「クラフトボス 甘くないイタリアーノ」が好調に推移し無糖ラテ市場を開拓。PETコーヒーでブラック・ラテ以外の新たな選択肢として定着し「クラフトボス」コーヒーシリーズ第3の柱へと成長を遂げた。
同商品の好調ぶりについて、9月9日、取材に応じたブランドマーケティング本部の蛭田順也氏は「毎月大幅増が続いており、第3の柱へ育成することに成功したPETコーヒーで、ブラックとラテ以外の商品を定番化させるのは難しい中、やっと定着した」と胸を張る。
好調要因はリニューアルとコミュニケーションにあるとみられる。
同商品は、ペットボトル(PET)コーヒー市場でブラックとラテ以外の第3のカテゴリーがなかなか定着していないことを背景に、コーヒー・ミルクともに満足感が得られつつも甘くないカフェラテを目指して昨年4月に発売開始された。
コーヒーシリーズ第3の定番商品の兆しが見え始めたことから、勢いを加速させるべく、発売2年目に突入する今年4月、リニューアルに踏み切った。
リニューアルにあたり、「甘くない」=「味が想像できない」「物足りない」と言った味わいの課題を乗り越えるべく、従来からのハイブリッドニューミルク製法に磨きをかけた。
飲用乳の公正競争規約によると、ラテに欠かせない乳固形分が3%以上を占めるとPETでは対応できない乳飲料規格として扱われる。
ハイブリッドニューミルク製法は、乳原料に植物性素材を加えてチルドカップなどと遜色ない乳飲料並みのミルク感をPETで実現したものとなる。
今回のリニューアルでは、乳たんぱくの比率を上げることで豊かなミルクの味わいを強化した。
さらに、深煎りのイタリアンローストをブレンドしたことで、コーヒーの余韻も強化した。
容器はくびれのあるボトルに変更し、持ち運びやすく刷新。
ブラッシュアップした中味設計に加えて、「ボスシリーズ」史上初となる全編アニメーションの「甘くないイタリアーノ」の広告が奏功した。
「新しい試みだったが、とてもご好評いただいた。アニメーションをこだわって作っているというクラフト感が、商品の味わいに対してもいい印象につながった」と述べる。
秋冬も引き続き拡大を狙い「甘くないイタリアーノ」の新施策を予定している。
なお「クラフトボス」のコーヒーシリーズ(ブラック、ラテ、甘くないイタリアーノ)は、今春にリニューアルと新コミュニケーションを展開したところ、1-7月のコーヒーシリーズ3品計は前年同期比でプラスの着地となった。
この中で特に好調だったのは、先行してリニューアルとコミュニケーションを行った「甘くないイタリアーノ」となった。