昨年に設立50周年を迎えたサントリーウイスキーのものづくり拠点・白州蒸溜所(山梨県北杜市)がこのほどリニューアル。新工程を導入するとともに、レストランや見学ツアーも新設した。
サントリーでは昨年から、現存する日本最古のウイスキー蒸留所である山崎蒸溜所(大阪府)と合わせて100億円規模の投資を行い改修を進めてきた。
より品質の高い原酒のつくり込みを目指すため、昨年から山崎に先行導入していた「フロアモルティング」に白州でも着手。水に浸した大麦を床に広げ、人手で何度も攪拌することで均一に発芽させ、麦芽を作る伝統製法。さらにウイスキーづくりに重要な酵母の安定調達、製品の品質向上へ、酵母の自社培養も開始する。
「白州では一貫して品質向上に取り組んできた。長期熟成に耐えられるニューポット(ウイスキー原液)のつくり込みへ、これまでは仕込みから貯蔵、ブレンドなどの研究に主に取り組んできた。今後は原料にまで踏み込むことで自然の恵みに理解を深め、より高品質な原酒づくりを目指す」(中島俊治工場長)。
「白州の森と響きあうレストラン」というコンセプトによる「Hakushu Terrace」もオープン。山梨県産の食材をふんだんに使った石窯ピザをはじめ、ここでしか味わえない「サントリーシングルモルトウイスキー 白州」のオリジナルカクテルが楽しめる。
「白州」ブランドの魅力を最大限に体感できる見学ツアー「白州蒸溜所ものづくりツアー プレステージ」(参加費1万円)も新設。フロアモルティングを行うスペースを案内するほか、現在は使われていない初代蒸留棟の見学、「白州森香るハイボール」や「サントリーシングルモルトウイスキー 白州 12年」のテイスティングも体験できる。