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加工食品調味料・カレー類長期経営ビジョン実現へ ヤマキ・城戸善浩社長に聞く(前編) 「世界の鰹節屋・だし屋」

長期経営ビジョン実現へ ヤマキ・城戸善浩社長に聞く(前編) 「世界の鰹節屋・だし屋」

ヤマキは長期経営ビジョン「YAMAKI Vision 2035」で2035年までに目指す姿として「世界の鰹節屋・だし屋、ヤマキ。」を掲げる。「体の健康」「地球の健康」「心の健康」の3つの健康への貢献をテーマとするヤマキCSVの実現を通じて価値を提供し、目指す姿のビジョン達成を目指す。長期経営ビジョン策定の背景や目指す姿、ヤマキCSVなどについて城戸善浩社長に話を聞いた。

――長期経営ビジョン策定の背景は。

城戸 中期経営計画には良さもあるが、例えば3年の場合、その3年のスパンに縛られるという弊害があり、もっと長い軸が必要だという思いがあった。

未来は現在の延長線上にはなく劇的に変化するとの前提に立ち、積み上げるのではなく先にゴールを決めたほうがいいと考えた。近年ではいろいろな会社がバックキャストと言い始めており、変化する世の中に対応していくためには、目指す姿・ありたい姿を描き、そこから逆算して事業を展開していくことが必要だということ。

ビジョンは、ヤマキグループ社員の腹にしっかり入り、それが自分事にならないとお題目に終わるとも考えた。そのため、長期経営ビジョンを作る際には、複数のプロジェクトチームを作り、社内公募や指名でメンバーを募り、そこで議論を繰り返してもらった。最終的には経営陣でとりまとめを行ったが、自分事化してもらう過程として、そういう作り方をした。

――目指す姿に込めた思いは。

城戸 きっかけになる言葉があった。2017年の創業100年の時に、その30年前の創業70年の時に埋めたタイムカプセルを掘り起こしたところ、様々な発見や面白い気づきがあった。そこで「またやろう、次の30年後の2047年に開けよう」ということになりタイムカプセルを埋めた。その時に書いたのが「100年後にヤマキの鰹節は世界に届いていますか」というメッセージ。

そこが出発点になっている。象徴的な言葉はいろいろと考えられたが、「世界の鰹節屋・だし屋、ヤマキ。」という言葉が目標感としてしっくりときた。そこから、では「世界の鰹節屋・だし屋、ヤマキ。」というのはどういう姿なのかという具体的な絵を描き始めた。

――ゴールを目指すに当たっては、手段としてヤマキCSVを掲げていますが。

城戸 社是や企業理念を改めて見返すと、今回のビジョンで掲げたヤマキCSVと同じようなことを書いている。CSVのソーシャルな部分は社是や企業理念とほとんど変わらない。企業としてのCSV、食品メーカーとしてのCSVもあるが、その中でヤマキは何をしていくかがヤマキCSV。ゴールを目指すための手段として、ヤマキCSVを一つの設計図にした。

「おいしさと健康」だけではなく「資源」「文化」なども大切である。天然物を主たる原料にしている当社にとっては食資源を使わないわけにはいかないが、使い切ること、適切に使うことが大切だと考えている。また食文化の継承、和食をどうしていくかは、だし屋の当社にとっては非常に重要なテーマだと受け止めている。

心の健康、食文化の継承では、和食の根源である鰹節・だしの世界を提供し続けたい。また、メインストリームとして和食を日常的に食べてもらえる世界、和食フュージョンでもいいが、広義の和食を日常的に食べてもらえる世界を作りたい。和食を世界のメインストリームにしたい。最終的にはそこが夢だ。その道筋の一つ、その途中のマイルストーンの一つとして「世界の鰹節屋・だし屋、ヤマキ。」があり、そこにたどり着くための羅針盤だと思っている。また、心の健康には文化や歴史などカルチャーに近い部分だけでなく、エモーショナルな部分も包含している。

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