明星食品は、来年の“昭和100年”を機にレトロ消費がさらに盛り上がることを先取りすべく、かつて一世を風靡したカップ麺「明星 青春という名のラーメン」を約40年ぶりに復活させる。
過去のブランド資産を生かしつつ、独自の最新技術で1分湯戻しのノンフライ麺と“でか具材”を新開発、令和版に進化させた。豊留昭浩社長は「市場でタテ型カップ麺は最大の激戦区だが、新たな切り口の商品で驚きやおいしさを提供し、年間の定番商品を目指していく」と意気込みを語った。
このほど秋冬新商品発表会を本社で開き、木所敬雄執行役員マーケティング本部長が基本戦略を説明。今シーズンは「明星 五重塔戦略 秋の陣 2024」と銘打ち、「引き続き5層(高級品志向・レギュラー品志向・格安プレミアム志向・低価格品志向・超低価格品志向)に分類した商品ラインアップで消費者ニーズの変化に応えていく」とした。
その上で、次世代ユーザーの獲得が重要であることを強調。目下のキーワードには「タイパ消費」「レトロ消費」「応援消費(イミ消費)」を挙げた。
今秋の目玉は、新たなスタンダードを目指す「明星 青春という名のラーメン」(9月23日発売)だ。前回は1984年(昭和59年)に初登場し、斉藤由貴さんの印象的なテレビCMも話題を呼び大ヒット。そんなレトロ商品の復活となるが、今回は最新のノンフライ技術を生かして令和版にブラッシュアップ。1分戻しで湯のびしにくいノンフライ麺に加え、圧倒的なサイズ感の具材も新開発した。
「胸さわぎでかミート しょうゆ味」には噛むほどに旨みが増す“でかミート”、「誘惑でかタマゴ チャンポン味」にはフワフワの“でかタマゴ”、「純情でかポテト しおバター味」にはホクホクの“でかポテト”を搭載。フタを開けた時のインパクトは大きく、実際の食べ応えも抜群だ。パッケージデザインは初代のイメージを踏襲したもの。価格は236円(税別、以下同)。発売にあわせ、「青春」の情緒感と1分戻しの機能価値を伝えるテレビCMを放映予定。
「チャルメラ」ホタテだしを国産100%に
ロングセラーの袋麺「明星 チャルメラ」シリーズ(「しょうゆラーメン」「宮崎辛麺」など)が販売好調だ。58年目の今秋は9月2日にリニューアル、商品特長の“ホタテだし”を国産100%に切り替える。パッケージでもアイコン化して訴求。ホタテは輸出が大幅に減少しており、漁業や産地を応援する“イミ消費”の喚起も狙う。また9月7日のバースデーにあわせた施策を展開。テレビCM放映や店頭イベントなどを実施し認知アップを目指す。
最上級に位置付けるプレミアムラインの「明星 麺神」ブランドでは、どんぶりカップ麺を初採用した「別格麺神」シリーズ(9月9日発売)を立ち上げる。高価格帯カップ麺の中でもご当地系が好調なことに着目し、「横浜家系豚骨醤油」と「京都鶏白湯」の2フレーバーを商品化。「麺神」ならではの極太ノンフライ麺に、香りと旨みが凝縮された濃厚スープがよく絡む。306円。人気ラジオ番組「オールナイトニッポン」とコラボしたプロモーションを展開。
低価格品志向に応える「評判屋」シリーズは、即席麺市場の減塩訴求ブランドで売上№1を誇る。8月5日にリニューアル。袋麺・カップ麺のシリーズ全品を減塩率30%(現行25%)とする。旨みが引き立つ五島灘の塩を配合し、肉・魚介・野菜の旨みを重ねておいしく減塩した。オープン価格。