「サントリー天然水」1%増計画 天然水そのものの価値に磨きをかけ有糖飲料や炭酸水の領域を拡大

サントリー食品インターナショナルは、「サントリー天然水」本体に磨きをかけながら展開品の領域を拡大することで、さらなる成長を目指す。

昨年の「サントリー天然水」ブランドの販売数量は、前年比7%増の1億3830万ケースとなり過去最高を記録。今年は過去最高更新へ前年比1%増を計画する。

成長ドライバーとなる「サントリー天然水」本体では、「ウォーター・ポジティブ」のコミュニケーションを継続・強化してブランドの価値向上につなげる。

3月19日、取材に応じた平岡雅文ブランド開発事業部課長は「『ウォーター・ポジティブ』に共感していただき、天然水が好きだと言ってもらう活動をやっていく。サステナブルだから買う、という行動までは難しくとも、考え方に共感するから『サントリー天然水』が好きという人をできるだけ増やしていく」と語る。

平岡雅文ブランド開発事業部課長 - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
平岡雅文ブランド開発事業部課長

本体に次いで展開品にも注力する。
「どうしてもプレーンの天然水だけでは真面目でつまらないものと捉えられてしまうため、ラインアップの拡充によりブランドとして新しさも提供していく」との考えを明らかにする。

展開品で手応えを得ている商品としては、2022年から発売している「きりっと果実」シリーズと「特製レモンスカッシュ」を挙げる。
「無糖化が進むなかで、“たまに甘いものを飲むならおいしいものを飲みたい”というニーズが大きくなっていると考え、透明よりも色がしっかりついたおいしい飲料を展開している。『サントリー天然水』の清冽な天然水のイメージとすこやかな果実を組み合わせた有糖飲料でお客様が“これだったら飲んでもいい”と思いやすくなっているのではないか」と捉える。

昨年に限定品で出した「きりっと果実 ピンクグレープフルーツ&マスカット」も定番化して、さらなる拡大を狙う。

今年はこの「サントリー天然水」と果実の組み合わせの成功を無糖領域にも拡大すべく、3月26日に「サントリー天然水 FRUIT-SPARK グレフル&レモン」を新発売した。
同商品は、「サントリー天然水」にグレープフルーツとレモンの果汁を入れた無糖の炭酸飲料。
「『サントリー天然水 スパークリング レモン』と比べて10倍の量の果汁を使用している。果実のおいしさが入ることで、無糖でも飲み応えがある製品になった」と胸を張る。

課題となる炭酸水では、割材ニーズに着目し開発した「サントリー天然水 SPARKLING」を新発売して差別化を図る。
炭酸水の割材ニーズについては「調査したところ、直飲み(直接飲用)よりもアルコールの割材としての飲用が増えている傾向がある。炭酸水の飲用者も、家飲みの割材を主目的に購入し、ついでに直飲みする動きが顕著にみられる」とする。

細かい泡の密度にこだわった高密度と、ブランド史上最高レベルのガス圧による強刺激を独自価値に挙げる。

ダウントレンドとなっているフレーバーウォーターのカテゴリーでは、水分補給に機能がプラスされた商品に期待を寄せる。
「『うめソルティ』は熱中症対策ニーズで選ばれている。ビフィズス菌を増やして、腸内環境を改善することが報告されているガラクトオリゴ糖を配合した機能性表示食品の『ヨーグリーナ&サントリー天然水BIOX』も顕著に推移しており、今後も継続する」との考えを明らかにする。