大塚食品は、3月4日に「ボンカレー」ブランド初となるカレーうどん専用の「ボンカレー 旨みを味わうカレーうどんの素」を新発売し、カレーうどん市場へ領域拡大する。
インテージSRI+によると、カレーうどんの素などのカレーうどん市場はコロナ禍の2020年に大幅に伸長し、その後一度落ち着きをみせたものの再び上昇基調にある。
市場規模は23年で53億円と推定される。
市場が拡大傾向にある中、製品認知が浸透していない点に勝算を見込む。
3月5日発表した山岸和広製品部レトルトチームリーダー・ボンカレー担当PMは、カレーうどんは外食では浸透している一方、家庭で調理して食べるというイメージが希薄である点を指摘する。
「実際に生活者にインタビューしてみると、理由は判然としないが、“お家で食べる選択肢にカレーライスは思い浮かぶが、カレーうどんは思い浮かばない”傾向にあることが分かった。とても不思議で我々からすると魅力的な世界」と商機を見出す。
魅力的に映るのは「ボンカレー」のブランド力で開拓が見込めるため。
大塚食品の調べによると、家庭でのカレーうどんの食べられ方の主流はレトルトカレーを使った食べられ方となり、カレーうどんの素は製品認知がされていないという。
その理由としては、カレーうどんの素の品目数が少ないことと、定番の売場が定まっておらず、知名度の高いブランドが少ないことを挙げる。
このような現状を踏まえ「ブランドが認知されている『ボンカレー』から商品を出して、“おいしい”と感じていただけたら、家庭メニューの選択肢に入ると考えた」。
「ボンカレー 旨みを味わうカレーうどんの素」のアイテムは、汁ありタイプの「だし薫る和風仕立て(中辛)」と汁なしタイプの「スパイス香るピリ辛キーマ仕立て(辛口)」の2品を取り揃える。
「だし薫る和風仕立て」は、かつおぶし、北海道産真昆布、長崎県産煮干しの和だしの旨みが特長のカレーソース。「通常の『ボンカレー』とは異なり麺との絡みやすさを物凄く意識して作った。一押しはだし。産地や品種にまでこだわり、だしの旨みを実現した」という。
一方、汁なしタイプの「スパイス香るピリ辛キーマ仕立て」も麺と絡みやすいように鶏ミンチや人参をダイスカットにしたカレーソース。粗挽き唐辛子、黒胡椒の辛さがアクセントになっている。
2品とも「ボンカレー」ブランドの共通点として、具材に国産野菜を使用し、玉ねぎは60分あめ色に炒めている。
新機軸の商品のため、認知獲得と喫食体験を施策のポイントとする。
店頭では、試食販売や多箇所の売場づくりなどに取り組む。「レトルトカレー売場をメインに考えているが、定番の売場だけだと回遊率が厳しいため、食事の選択肢に入りやすいように、うどんに近づけ、チルドや冷凍のうどん売場でも展開できるように什器を開発して営業の力で仕掛けていきたい」と語る。
コミュニケーションは認知動画「おうちカレーうどん、食べてみた。」篇を制作してYouTubeやTverで公開。店頭動画としても活用していく。
この認知動画をフックに商品理解と情報拡散を目的としたプレゼントキャンペーンは3月10日まで実施。3月18日の週にはテーブルマークの「冷凍うどん」とのアレンジレシピを公開する。テーブルマークの「冷凍うどん」と「ボンカレー 旨みを味わうカレーうどんの素」を詰め合わせが当たるキャンペーンも3月25日の週から開始予定となっている。
なお「ボンカレー 旨みを味わうカレーうどんの素」の発案者は、中島千旭製品部食品担当レトルト担当PM。コロナ禍のストック需要から発案したという。
「『ボンカレー』は常温保存でき、冷凍うどんも冷凍庫で保存できる。コロナ禍でストックが増える中で、喫食シーンがマッチしていると思い提案してみた」(中島氏)と振り返る。