ニチレイフーズが23年秋に新発売した冷凍食品「香ばし麺の五目あんかけ焼そば」が絶好の売れ行きを見せている。発売翌月の10月には月間100万食を達成。これは17年に発売した大ヒット商品「特から」を上回る驚異的なペースだという。
同社は「パーソナルユース需要に向けたトレイ入りの簡便性、しっかり焼いた香ばし麺、さらにはこだわり具材のおいしさが、お客様に受け入れられたと考えている」(広報担当者)と話す。
ニチレイフーズは22年夏に大きな話題を集めた「冷やし中華」を皮切りに、パーソナルユースをターゲットにした麺類を次々と発売。これまでに「極太つけ麺」や「カレーうどん」を追加してきたが、今回の「香ばし麺の五目あんかけ焼そば」が最大のヒット商品となった。麺類の製造は山形工場。
調理方法はレンジのみ。しかも新開発の「オリジナル2段トレイ」により、下段の麺が入った容器に、上段で温まったたっぷりのあんと具材をそのままかけるだけで完成する。
また独自技術の「新・香ばし麺製法」を採用。こんがりとした色づきと香りが楽しめる本格的な麺に仕上げた。具材は白菜、たけのこ、豚肉、にんじん、チンゲン菜、きくらげの6種類。大きくカットして食べ応えにもこだわった。
10月6日から今田美桜さん出演のテレビCM「香福幸福」篇を放映した効果も大きい。もともと冷凍食品とあんかけ焼そばが大好きという今田さんは「子どもの時からニチレイさんの『今川焼(カスタード)』をよく食べている。CMのお話をいただいてすごくうれしかった」。撮影では麺を頬張り過ぎて表情を上手く作れない場面もあったが、無邪気に満足そうな笑顔でおいしさを伝えている。
直近の12月にはテレビの人気バラエティー番組でも大きく取り上げられた。タレントには一流シェフの新作メニューとして提供し、実はレンジ調理しただけの「香ばし麺の五目あんかけ焼そば」であることを見抜けるかという内容。食レポが得意なお笑いコンビや人気のママタレントらが次々と騙されてしまい、一般消費者の興味をさらに高める結果となった。「真剣に味わった上で本当に良い評価をしていただけた。商品は直近も驚異的な売れ行き。プロモーションはテレビCMを中心に継続的に展開していく」(広報担当者)との方針だ。