緑茶飲料市場に新風 アサヒ飲料の新ブランド「颯(そう)」が20-30代女性を獲得 さらなる成長へ課題も浮上

 アサヒ飲料が4月4日に新発売した緑茶飲料の新ブランド「颯(そう)」が緑茶飲料市場に新風を吹き込んでいる。

 緑茶飲料市場は、40代以上の男性ユーザーがボリュームゾーンである中、「颯」は20‐30代女性の購入が相対的に多くなっているという。

 7月12日、取材に応じたアサヒ飲料の星野浩孝マーケティング二部お茶・水グループグループリーダーは「これまでの緑茶飲料のユーザーとは異なるお客様が手に取って下さり、リピートの兆候もみられる」と語る。

 好評につき現在、主要コンビニの売場を維持。4月から6月までの累計販売本数は270万ケースを記録し年間販売目標500万ケースの5割を突破した。

 この販売実績については「ほぼ想定通り」と総括する。

 夏場は、さらなる成長に向けてプロバスケットボール選手の八村塁さんを起用したTVCMを継続して放映するなどして認知拡大に取り組んでいる。

 「まだまだ認知が(競合の)既存ブランドと比べて低いのが課題。認知率は、売場に置かれる商品がお客様の目に留まる確率にもつながっていくことから、広告を再度放映し、しっかり認知を高めながら市場定着を図っていきたい」と語る。

 販売構成比が低いケース販売も課題と捉える。

 「緑茶飲料はケース買いされるお客様が多くいらっしゃるが、『颯』は新ブランドということもありケース販売の構成比が競合に比べて低い。家族全員に馴染むか分からないといったような思いからケース買いを控える方が一部いらっしゃるのも1つの課題」とみている。

 味わいについては賛否分かれるという。
 「ポジティブな意見としては“華やかで爽快な香り”があり多くの生活者から受け入れられている。一方、“緑茶っぽくない”“緑茶と思って飲んだら少し違っていた”というお声があるのも事実」と説明する。