味の素冷凍食品は、このほど主力商品「ギョーザ」で停電発生を想定した品質変化等の検証を実施し、24時間後でも通常通り調理でき安心して食べられることを確認したと発表した。パナソニックの家庭用冷蔵庫を使用し共同で検証したもの。「フードロス削減を目指すプロジェクトの一環。夏場に停電が発生しても1日程度はおいしく安心して食べられることを確認できた」(味の素冷凍食品)。
検証を実施した背景には、夏場における集中豪雨の増加や、近年の電力不足で停電の発生頻度が高まっていることがある。
また同社の調査によると、停電時に冷凍食品の安全性を心配する回答が約75%と多かった。
検証は昨年12月から今年3月にパナソニック草津研究所にて実施。複数の条件設定で試したうち、一般的な家庭用冷蔵庫の冷凍室スペースに「ギョーザ」を収納率60%で詰め込み、25℃と32℃の環境下で通電停止後の品質変化を検証したところ、24時間経っても官能試験、微生物検査、経時変化などの数値に問題はなかったという。もちろん油・水なしで調理でき、「ギョーザ」の羽根の素も有効に機能した。「『ギョーザ』を常にローリングストックしておけば、もしもの時にも安心して無駄なく活用できる」(同社)。
なお、品質保持は「要冷凍」の-18℃以下を順守していることが前提条件で、停電時の調理にはカセットコンロなどの用意が必要。日本冷凍食品協会は停電時でも冷凍室を開けなければ3~4時間は冷凍食品の品質を適正に保てるとしている。