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流通・飲食600mlPETの静岡茶100%が税込62円 ベイシア新PBで描く「1兆円」の夢 安さともなう品質のよさを追求 活気立つ従業員と店内
2025台湾食品調達商談会 in Osaka by 台湾貿易センター

600mlPETの静岡茶100%が税込62円 ベイシア新PBで描く「1兆円」の夢 安さともなう品質のよさを追求 活気立つ従業員と店内

 ベイシアは3月8日、新プライベートブランド(PB)「Beisia Premium(ベイシアプレミアム)」を発売し、同社が戦略の柱に掲げる商品・店舗・人材を強化していく。

 節約志向が高まる一方で高品質やおいしさを求める消費者マインドを受けて、「ベイシアプレミアム」では、安さをともなう品質のよさを追求。高級や贅沢ではなく、高品質や特別を値ごろ感のある価格で提供することでプレミアムな購買体験を創出し来店を促していく。

 この日、都内で発表した相木孝仁社長は、ベイシア全体の戦略の柱について「1つ目は尖った商品をお届けすること。2つ目は圧倒的に効率的な店舗オペレーションを磨いていくこと。3つ目はそれを運営する人が育つ環境を整えていくこと。つまり、商品・店舗・人がスーパーの基本で、これを磨くことでお客様から日本で一番“ありがとう”をいただけるスーパーになりたい」と説明する。

 この3つの柱を磨く起爆剤として「ベイシアプレミアム」の展開に加えて、SPA(製造小売業)化やDX化を推し進め「現在の3000億円の事業規模ではなくて、5000億円、1兆円に引き上げていこうということを今、本気で社員に語りかけている」と青写真を描く。

 ベイシアの2022年2月期の売上高は約3020億円。現在、31社からなるベイシアグループは年間売上1兆円を超えベイシアはその祖業企業として中核をなしている。

 「ベイシアプレミアム」は、約1年間、検討を重ねて、長年の商品開発に磨きをかけて誕生した。値上げ基調の時流にも沿っているが、満を持しての発売で社内も活気立っているという。

8日、ベイシア新プライベートブランド記者発表会に臨んだベイシアの相木孝仁代表取締役社長(右)と松尾大輔商品マーチャンダイズ事業部長。「ベイシアプレミアム」のブランドロゴをアピール
8日、ベイシア新プライベートブランド記者発表会に臨んだベイシアの相木孝仁代表取締役社長(右)と松尾大輔商品マーチャンダイズ事業部長。「ベイシアプレミアム」のブランドロゴをアピール

 「昨夜から商品陳列に従業員が一生懸命頑張ってくれて、お店のインパクトがだいぶ変わった。お店と従業員の活気が上がり、とてもいい動きだと思っている」と胸を張る。

 「ベイシアプレミアム」の特長としては、バイヤーが産地に足を運ぶなどして取り組む“目利き”や低価格の追求、味・品質の保証が挙げられる。

 牛乳や生鮮品に関しては“三方よし”の方針。「コスト競争力のある状態にしないとお求めやすい価格を打ち出せないため、そういった意味では我々も切磋琢磨し、お取引先様も筋肉質な形でやっていただくが、信頼関係を構築できたお取引先様とは長期でお取引していきたい」との考えを明らかにする。

 味・品質の保証については「これまでも社内で相当こだわってききたが、今回、第三者機関にしっかりお願いして、より基準を明確にして高いところを目指していく」。

 低価格は業務のシステム化や物流の効率化で実現していく。
 松尾大輔商品マーチャンダイズ事業部長は、物流効率化の一例に引き取り物流を挙げる。

 「当社でトラックを手配して、店舗からの帰りに(メーカーの)工場に寄って引き取る。空の荷台で走っていたところに商品を詰めることで効率化を図りコストを下げることができる。ドライバーさんの手配も非常に大変な中、メーカー様と協力した取り組みを進めている」と述べる。

 そのほかケース単位の販売や納品時間の変更でも効率化を図る。

 ベイシアでは既存のPBが食品だけで1000SKU以上あり、当面はこれらを徐々に「ベイシアプレミアム」に切り替えていき、食品以外の住関連や衣料への拡大も今後検討していく。
 
 3月8日に発売開始された「ベイシアプレミアム」は46SKU。

 その目玉商品としては「近大生まれブリヒラ」(100g当たり税込537円)「農地・生産者限定生産 別海〈北海道〉のおいしい牛乳3.7」(1L・税込213円)「静岡県産茶葉100%使用 濃い静岡茶」(600mlPET・税込62円)などが挙げられる。

 各商品にはベイシア目利きポイントが3つ記され、デザインやブランドロゴにもこだわっている。

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