ごはんの替わりにオートミールで食べる“お茶漬け”提案 伊藤園がむぎ茶製造で培った技術でオーツ麦を焙煎

 伊藤園はむぎ茶製造で培った焙煎技術でオーツ麦(ロールドオーツ)を焙煎して「焙煎オートミール」を開発。これを具材とともに販売してオートミールをお茶漬けのように食べる“むぎのある暮らし”を提案していく。

 具材は「鮭たっぷり和風味」(和風)「鶏肉と豆腐の中華風味」(中華)「トマトとお豆の洋風味」(洋風)の3種類でパウチ容器に入っている。

 26日から応援購入サービス「Makuake」で、焙煎オートミール6袋と3種類の具材を2袋ずつ詰め合わせたセットを800個限定で販売する。

 価格(応援購入金額)は税込3980円。

 「Makuake」での展開を契機に次の展開も視野に入れ、具材と香ばしい焙煎オートミールによるおいしさ、食物繊維が豊富で糖質が少ないヘルシーさを兼ね備えたものとして提案していく。

 カロリーは、焙煎オートミール1袋(30g)が105kcal、具材(1袋180g)については和風が32kcal、洋風が110kcal、中華が86kcalとなっている。

焙煎オートミール6袋と3種類の具材を2袋ずつ詰め合わせたセット - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
焙煎オートミール6袋と3種類の具材を2袋ずつ詰め合わせたセット

 おいしさにもこだわり、焙煎オートミールは“低温じっくり焙煎”と“高温カリッと焙煎”の2種類の焙煎オーツ麦を組み合わせ、一般的なオートミールにはない“ふっくら香ばしい”新感覚の食感が楽しめるように仕立てられている。

 開発を担当した伊藤園の根本有里さんは「“健康のためにオートミールを食べているが飽きてしまった”というお声に対して、焙煎することで、食感もさることながら風味もよくなる」と説明する。

 今回の提案は、デジタル強化を目的に若手社員から新しいアイデアを募る社内体制が素地にある。
 約2年前、今年4月に発売した「健康ミネラルむぎ茶 オーツ麦ブレンド」の開発に取り組んでいた根本さんは、オーツ麦の香ばしさと甘さを引き出すべく試行錯誤している過程で焙煎オートミールのおいしさに目覚める。

「健康ミネラルむぎ茶 オーツ麦ブレンド」 - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
「健康ミネラルむぎ茶 オーツ麦ブレンド」

 「開発を手掛けるまではオートミールを食べたことがなかったが、試作中に火であぶったオートミールをつまんでみると、むぎの香ばしさや甘さがすごく感じられた」と振り返る。

 開発は、この感想を企画会議で述べたところから始まり、伊藤園が持つむぎの焙煎技術と原料調達力を活用して手探りで進めていった。「製造委託先もネットで検索して探した」という。

 こうして開発された商品は「むぎのある暮らし」ブランドとしての展開を視野に入れる。

 「むぎ茶担当として飲料を提案するだけではお客様に伝わらないと考え、むぎを生活に取り入れることで豊かなになることをお伝えすべく『むぎのある暮らし』ブランドを立ち上げた」と語る。

 今ではデスクに焙煎オートミールの袋を常備し、スープジャーとおかずを持ってきて昼食をとるのが日課になっているという根本さん。

“低温じっくり焙煎”と“高温カリッと焙煎”の2種類の焙煎オーツ麦 - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
“低温じっくり焙煎”と“高温カリッと焙煎”の2種類の焙煎オーツ麦

 根本さんから焙煎オートミールの手ほどきを受けた同僚の寺口寛司さんは「お茶漬けを食べているのと遜色なかった。男性の私でも腹持ちがよく食べられるので、意外に違和感なく生活に取り入れて楽しんでいただけるのではないかと注目している」と述べる。

 さらなる展開について、寺口さんも「期間限定でお店を構えるといったことを考えている。お客様から“こういうのがあったらいいよね”というお声を聞きながらスピード感を持って新しいことにどんどん挑戦していきたい」と意欲をのぞかせる。

伊藤園マーケティング本部麦茶・紅茶ブランドグループ商品チームの根本有里さんと寺口寛司さん - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
伊藤園マーケティング本部麦茶・紅茶ブランドグループ商品チームの根本有里さんと寺口寛司さん