新型コロナウイルスの感染防止策で外出自粛や在宅勤務が進んだことで、家庭内におけるコーヒーのおいしい淹れ方や飲み方の関心が高まる一方、業務用のレギュラーコーヒーは喫茶店やレストランなどの営業時間の制限や来店客数の減少により売上げが大きく減少し、コーヒー業界全体は厳しい状況に置かれている。
このような状況を受け、全日本コーヒー協会は異例の措置として、正会員と準会員から会費を徴収せずに効率化を図りながら消費振興などに取り組む方針を固めた。11月27日、都内で通常総会を開催し、2020/21年事業計画を含むすべての議案が承認された。
同総会で選任された萩原孝治郎会長は、全般に事業規模が縮小される中での消費振興策について「SNSの発信強化で若い人にアプローチしていきたい」と語った。
その好例として、関連団体の全日本コーヒー商工組合連合が岩井ジョニ男さんを起用して、喫茶店のレギュラーコーヒーの魅力を描いたYouTubeのキャンペーン告知動画を挙げる。同動画は多くのアクセスを獲得したという。
退任した横山敬一前会長は在任中、24歳以下のコーヒーの消費が長らく低迷していることがやり残した課題だとし「逆にチャンスでもあり、若い方にコーヒーを飲み始めてもらうべく取り組めば大きな力になる」とエールを送った。
萩原会長は厳しい環境下での新たな成長の芽として異業種に着目。「にわかに家庭でバーベキューを始めた方が増えている。その業界の方の話を聞くと、アウトドアグッズが売れているという。そのようなところとうまくやっていくのも一つの手ではないか」との見方を示した。