炭酸栄養ドリンク「オロナミンCドリンク」は、今年で発売55周年を迎えるロングセラーブランドであることも手伝い老若男女と幅広い層に受け入れられている。
昨年は、WEB・SNSを活用したコミュニケーションに注力したことで20~30代の新規ユーザーも獲得。特に公式ツイッターのフォロワー数は19年4月に約2万だったのが、今年2月上旬の時点で約7万に増加した。
これには新作のTVCMと連動した発信のほか、ブランドのこだわり、季節に関連したニュースといった消費者との細やかなコミュニケーションが貢献したという。
昨年は、新規ユーザーへのアプローチに加えて、かねてから行っている親子へのコミュニケーションも強化して売上げを拡大させた。
具体的には店頭で父の日・母の日といった催事と連動させて販促を強化したことで主婦の購買層を増やし10本パックの販売につなげたほか、毎年夏場に行われる仮面ライダーショーでは昨夏、来場した親子に向けて製品特長を丁寧に説明したところ「お子様にも“飲ませたい”とのお声を多くいただいた」と西健太郎ニュートラシューティカルズ事業部オロナミンCプロダクトマーケティングマネージャーは語る。
西マネージャーは「オロナミンCドリンク」が幅広い層に受け入れられている製品特長として、
――ビタミンCがレモン11個分
――ビタミンB2・B6入り
――アミノ酸・ハチミツ入り
――着色料・保存料は不使用
――ビタミンを守るために茶色い瓶を使用
などを挙げる。
発売55周年を迎える今期(20年1―12月)の方針は、前期の流れを加速させるべく20~30代への育成にも力を注ぐ。「引き続き若い人とのブランド接点を増やしていくとともに、ご家庭で継続して飲んでもらえるようにする」と述べる。
今期は、中長期的な成長を視野に子どものブランド体験にも着手する予定。20~30代に向けてはツイッターを中心としたSNSのコミュニケーションを強化する。
サンプリングやエリア施策なども継続。エリア施策は、天気予報背景オリジナルCMや地方各地とタイアップしたインフォマーシャルを引き続き行う。
天気予報背景オリジナルCMは、各地のローカル局での番組の合間に放映される天気予報の背景の映像を用いて地域のコミュニティーとともにブランドを露出する内容で展開している。
前期(19年1―12月)の販売実績は、一部商品の自主回収の影響があったものの、供給体制が回復したことに加えて20~30代の新規ユーザーを獲得し前年比5%増の984万ケースに達した。
飲料市場の主力容器である500㎖PETボトルは通常1ケース24本入りであるのに対し、120㎖小瓶サイズの「オロナミンCドリンク」は1ケース50本入りのため、前期は本数換算で約5億本に達したことになる。
前期については「20~30代の新規お客様に手に取っていただけたことで自主回収前の17年と比較してもプラスになった」と振り返った。