伊藤園は10月19日、首都圏の一部の量販店で茶葉とホップを掛け合わせたクラフト無糖炭酸飲料「CHASER BREWING(チェイサーブリューイング)」を発売してアルコール代替飲料に挑む。
顧客の課題解決に向き合い、新しい顧客との接点を多く作る取り組みの一環。スモールスタートの位置づけとなる。
拡大基調にあるものの、アルコール飲料の落ち込み分をカバーしきれないノンアルコール飲料の不満点に着目した。

この日、LiSH(東京都港区)での試飲会で乾杯の音頭をとったマーケティング本部新カテゴリー創造グループの永山諒氏は「Z世代や若者はアルコール離れが進んでおり、その理由の中に『アルコールの味が嫌い』という方が一定数いたことから、酒類に寄せるのではなくて清涼飲料水を進化させる発想で飲みごたえのあるアルコール代替飲料が作れるのではないかと考えた」と語る。
新カテゴリー創造グループが新設されたのが2024年5月。その約2か月後に開発がスタートしアルコール風味に頼ることなく飲む満足感を追求した結果、ホップに辿り着く。
「今までお茶×炭酸の飲料を作ってきたが、個人的には、お茶の渋みと炭酸が合わないという課題と、飲料の主要容器であるペットボトルを採用したことで味わいとのズレが生じたという課題があったと思っている。今回、お茶の渋みをホップの苦味で補ってあげることで比較的飲みやすくなると考えた」と説明する。
一般的な無糖炭酸飲料など清涼飲料水とも一線を画する味わいも志向。
「既存の清涼飲料水にはない味覚の刺激や、どこか引っ掛かりのある味わいを我々は『キック』と呼び、、ホップの苦味をキックと捉えている」と述べる。
伊藤園がホップを飲料の主原材料に使用するのは初めてという。
「商社さまなどを通じて200種類あると言われている中から20種類ほど集めていただいて、お茶に合わせるという目線で選んでいった。ホップの使われ方を理解するためクラフトビールの展示会なども訪れた」と振り返る。

アイテムは、紅茶とホップを掛け合わせた「INDIA SUNSET」(350ml缶・税別200円)と緑茶とホップを掛け合わせた「JAPAN HORIZON」(同)の2品を取り揃える
原料は「INDIA SUNSET」では、ボディ感とユニークな清涼感を持つインド紅茶と苦味が強いトロピカルホップを使用し、「JAPAN HORIZON」では日本茶を低温抽出して渋みを抑え、苦味が弱くみずみずしいフルーティーホップを使用している。
パッケージは、クラフトビールに寄せて楽しさを演出する狙いから動物をあしらっている。
現在、一部の量販店では清涼飲料水の棚で販売されているが、今後は、伊藤園としては初となるノンアルコール飲料を含むアルコール飲料の棚での販売も予定される。
「人が集い交流する、人とアイデアが交わる乾杯文化を残していきたい。まずはテスト販売で、販路もしっかり絞り、お客様の声をしっかり聞き取れるような場所で売っていきたい」との考えを明らかにする。
