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魚を余すことなく、価値ある資源へ アイリッシュシーフードが挑む、バイオテクノロジー×サステナビリティの最前線

豊かな水産物の源である北大西洋に取り囲まれた、ヨーロッパ最西端の島国アイルランド。国土を包む広大な海は多種多様な生命を育んでいる。

25年のアイルランド産シーフードの対日輸出は、約5733t、金額にして1549万ユーロに達した。日本は継続的な需要が見込まれる重要な市場として引き続き主要な輸出先の一つとなっている。

アイルランドの水産業界も日本市場に継続的に投資。サバをはじめ、ラングスティーヌ、ロブスターなどの付加価値の高い水産物や、ツブ貝などのプレミアムな貝類などの主要な輸出先として日本市場を重視している。

未利用資源から機能性素材

近年、同国水産業界が今後の成長分野とみて進出を進めるのが、魚の未利用資源を活用した機能性素材の供給事業だ。

そんな企業のひとつが、アイルランド最大の漁港であるドニゴール県キリベグスに本社を構えるアトランティック・ドーングループ(Atlantic Dawn Group)。

冷凍遠海魚の製造を手がける家族経営の水産企業である同社は、50年以上にわたる知識と経験をもとに、自社の漁船および陸上加工施設を運営している。

従来の冷凍遠海魚の輸出だけでなく、アイルランドを代表する海洋バイオリファイナリー(注)メーカーの買収や、キリベグス本社工場の拡張(酵素水解プロテインパウダー製造ラインの新設)を通じて、魚の未利用資源(オフカットなど)から高付加価値なマリンペプチド(プロテインパウダー)を抽出するヘルス&ニュートリション分野へ急速に舵を切っている。

(注)=魚、貝、海藻、未利用の魚の部位(骨、皮、内臓)などの海洋生物資源を原料に、バイオテクノロジーを用いて高付加価値な製品を総合的に製造する施設や技術。

アイルランドを拠点に世界の食品・栄養市場向けに海洋由来原料の開発・製造を行うアトランティック・ドーングループでは、同国の海洋バイオリファイナリーメーカーであるBio-Marine Ingredients Ireland Limited(現 Pure Marine Biotech社)を今年2月に買収。同社は食品原料業界向けに特殊海洋タンパク質、ミネラルおよび脂質パウダーを製造・供給している。

今回の買収は、付加価値の高い海洋由来原料を統合的に提供するプラットフォームを拡大するとともに、世界的に成長が続く栄養・食品原料市場でのプレゼンス強化を目指す同社の戦略にとって大きな一歩となった。

Pure Marine Biotech社の製造設備
Pure Marine Biotech社の製造設備

グループ入りしたPure Marine Biotechは、ブルーホワイティング(ミナミダラ)全体を酵素加水分解することを専門とする、アイルランドを代表する海洋バイオリファイナリーメーカー。

科学、イノベーション、サステナビリティへの取り組みを礎に、先進的なテクノロジーと科学的知見を融合。豊富に漁獲され、責任ある方法で調達されたミナミダラを、付加価値の高い高機能な健康・栄養素材へと加工している。

製品ラインアップには、生理活性ペプチドを豊富に含む高精製タンパク質パウダー、カルシウムパウダー、オメガ3系フィッシュオイルなどがある。

同社のバイオリファイナリーでは、水の使用量を削減し、エネルギー消費を最適化するとともに、排出量を抑制するよう設計された先進的なシステムを導入。また魚を余すことなく活用し、廃棄物の発生を最小限に抑える。

加えて、すべての魚を天然漁獲し、すべての製品を単一の原料であるミナミダラから製造。養殖飼料などの人為的な投入を必要としない。さらに、すべての魚を持続可能な方法で調達している。

安心な魚介類を消費者へ 日本の業界と連携強化

アイルランド水産業3

アイルランド政府食糧庁は、国内外で持続可能なアイルランド食品・飲料の生産・消費を促進。PR・情報発信をはじめ、さまざまな業界支援や販売促進活動に取り組んでいる。その一環として、日本の消費者にアイルランド産魚介類を安心して選んで楽しんでもらえるよう、日本の水産流通業界との交流・連携を深めている。

アイルランド政府食糧庁の水産部門マネージャーであるカレン・デヴェロ氏は、アイルランド産シーフードについて次のように語っている。

「ヨーロッパの西端にある島国のアイルランドは、冷たく澄んだ大西洋に囲まれ、手付かずの自然環境に恵まれている。これにより、この国は多様な天然海洋資源とヨーロッパで最も豊かな漁場を有している。これは豊かな海と自然に恵まれ、魚介類が国民の食文化に重要な役割を果たしている日本との共通点でもある。より多くの日本の消費者の皆さまにアイリッシュシーフードを味わっていただけるようそのプレゼンスを高め、輸入を促進する活動を強化していきたい」。【PR】

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