全日本コーヒー協会(全協)は10月1日の「国際コーヒーデー」に、モーニング喫茶文化が深く根付く名古屋でコーヒーの祭典「COFFEE DAY フェス 2026 in 名古屋 〜コーヒーの今と未来を考える〜」を開催。一般消費者や業界関係者に向けて「コーヒー2050年問題」から名古屋の喫茶文化、耳寄りな楽しみ方・活用法まで多彩に発信した。
主催者挨拶した全協の柴田裕会長(キーコーヒー社長)は「本日ご来場の皆様と全日本コーヒー協会が一体となってコーヒーの情報・文化・魅力・感動を共有させていただけたら幸いということを私の祈りとしてお願い申し上げる」と呼びかける。

全協は、1983年からコーヒー年度の始まりである10月1日を「コーヒーの日」と定め、コーヒーの魅力や知識の普及に取り組んでいる。
2015年には、国際コーヒー機関(ICO)によっても「国際コーヒーの日」に制定され、今年3月10日には国連総会において国連の記念日として「国際コーヒーデー」と定める決議が採択された。
全協では、この決議を、コーヒーの社会的・経済的・文化的意義を国際的に再確認する歴史的な決議と位置付けている。
ICOのヴァヌシア・ノゲイラ事務局長も「本日は1983年から日本で親しまれてきた『コーヒーの日』をお祝いする特別な日。さらに今年3月に国連の記念日としても今や世界中でお祝いされている」とビデオメッセージでコメント。

今回の祭典については「素晴らしい発見とコーヒーの今と未来についての議論の場になることを確信している。コーヒーを通じてつながりを楽しむと同時に遠く離れた生産者が抱える気候・環境・社会的な課題にも思いを馳せてほしい」と訴える。
静岡文化芸術大学文化政策学部国際文化学科准教授の武田淳氏は、クリスチャン・バン氏らの試算を引き、温暖化が進んだ場合、コーヒー栽培適地が2015年比で2050年までにインスタントコーヒーなどに使われるカネフォラ種が54%失われ、スペシャルティコーヒーなどに使われるアラビカ種が49%失われる「コーヒー2050年問題」について触れる。
「コーヒー2050年問題」を適地論とし、今後、実務の現場で議論されているのが「どこで作るか。何を作るか。誰が支えるのか。どのようなルールで届けるのか。つまり産地をどうつくり、どう支えるかが未来を拓くカギ」と武田氏は語る。
日本珈琲輸入協会の朝枝恵梨氏(丸紅所属)は、コーヒーの農業モデルについて、過去を収奪型(資源を使い切る)、現在を現状維持の持続可能型、一部の現在で未来のモデルを再生型と位置付け、ブラジル・セラードミネイロの大農園が取り組む再生型の先進事例を共有した。
研修レポートとしてタイのコーヒー文化を紹介するのは、日本グリーンコーヒー協会の橋本工氏(石光商事所属)。今のタイの若者に人気のカフェメニューとして、オレンジ・アメリカ―ノ、フレッシュジュース割りなどを挙げる。
8月10日には、コロンビア西部でマグニチュード7.4の大規模地震が発生し、コーヒーの精製・物流設備、港湾などがダメージを受ける。
実家も被災した中で来日したFNCコロンビアコーヒー生産者連合会のサンティアゴ・サボガル氏はこの日、最新のコロンビアの小規模農園の傾向や課題、研究などを語った。
中部日本コーヒー商工組合の企画としては、フリーライターの大竹敏之氏を招き、「名古屋人はなぜこんなに喫茶店が好きなのか? 〜モーニング文化の歴史と今後のトレンドを読み解く〜」と題した講演を実施。
インスタントコーヒー部会からは、味の素AGFの奥野優氏と寺村珠里氏がインスタントコーヒーでたのしむアレンジメニュー、レギュラーコーヒー部会からはキーコーヒーの藤田靖弘氏が抽出後のコーヒー粉(コーヒーグラウンズ)有効活用を、それぞれ実演した。
試飲コーナーは、レギュラーコーヒーとインスタントコーヒーで実施。レギュラーコーヒーコーナーでは、異なる品種や生産国、製法の違いを体験できるセルフサービスの試飲ブースを設置した。
一方、インスタントコーヒーコーナーでは、試飲や実物展示、動画を通じてスプレードライ製法とフリーズドライ製法で作られるインスタントコーヒーを紹介した。
ウインクあいち(愛知県名古屋市)の会場には約530人が訪れ、講演コーナー・試飲コーナーともに大盛況のうちに幕を閉じた。
全協公式SNSのフォローや来場者アンケート回答者を対象に、イベント限定特製エコバッグとコーヒー関連商品の詰め合わせを数量限定でプレゼントした。
