加藤産業のオリジナルブランド「カンピー」が、今年70周年を迎えた。名前の由来である関西ピーナツバターが設立されたのが1956年。1970年にはジャムを製造する上郡工場(兵庫県)が稼働。翌年には海苔などを扱う乾物部が開設された。現在もジャムと海苔は「カンピー」の主力商品である。他にも缶詰、あん、調味料などの自社ブランド商品からパスタなど厳選した輸入商品まで幅広く展開。その多様さと販売量は大手食品卸の中でも群を抜く。中村考直専務に自社ブランドを持つことの意味と今後の展開を聞いた。
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――「カンピー」が70周年を迎えました。貴社にとってどのような位置付けですか。
中村 今でこそ卸が商品開発を行い、自社ブランド商品を扱うのは当たり前になっているが、帳合の少なかった当社はカンピーを売ることで得意先さまとのつながりを強めることができた。
70年前にそのような仕掛けを行った先輩方に先見の明があったと言える。私自身もカンピーの製品を持って行き、取引を始めてくださいという形で営業範囲を広げていった。
原料の調達から製造、流通までのすべてを理解し、自分たちしか売ることができない、このような商品を持ち商売してきたことは、間違いなく成長の原動力となり強い営業力につながったと感じている。
――中村専務はこれまでどのように自社ブランド商品にかかわってこられたのですか。
中村 25年前になるが、油を使わずにレンジで中華料理ができる商品を「体に安心」シリーズとして製薬メーカーと一緒に開発した。当時は価値訴求の「料理人」、価格訴求の「生活派」など、カテゴリーごとに様々なコンセプトを有する複数のブランドがあった。
だが、このままでは認知度が上がらないと考え、私がブランド事業部長になった時、「カンピー」に集約することにした。今後も成長を続けるにはブランドを一本化することが大事だと考え、そのような戦略を展開した。
――その効果はありましたか。
中村 かつて展示会では、オリジナル商品部・貿易部・乾物部・上郡工場というように部門ごとに商品を紹介していた。これはお客様目線ではないと感じ、「カンピー」という一つのブランドの下でカテゴリーに分けて商品を訴求した。
その結果、得意先の方々から「こんなに多くの種類があるとは知らなかった」「これだけ広く扱っている卸は他にないね」などと言ってもらえた。
以前から、部門ごとには商品の特徴が伝わっていたが、一つのブランドとして見てもらうことで多様な商品を扱っている点がより伝わりやすくなり「カンピー」を加藤産業の象徴として理解してもらえるようになった。
――2023年には「カンピー ザ・プレミアム」が登場しました。3年が経ち、ここまでの手応えは。
中村 グリーンウッドからブランドを移行した「手造りジャム」と「有機ジャム」は安定的に動いているが、ブランド全体に占めるプレミアム商品の構成比はまだ低く、発展途上と言える。ブランド価値を上げるためにも、プレミアムをもっと拡大しなければならない。(つづく)

