アークスは2002年の発足以来「八ヶ岳連峰経営」を標榜。北海道・東北・北関東の食品スーパー10社(374店、2026年2月末現在)を傘下に、各社の独自性を尊重した店舗展開、各地の特色を生かした商品展開を強みとしてきた。「グループ売上高1兆円構想」(2033年2月期)の実現に向け鍵となるのは、CGC、新日本スーパーマーケット同盟との「協業の力」(横山清会長・CEO)。さらなる業界再編(M&A)も視野に入れる。
CGC商品は、アークスグループのPB商品として位置付けられている。CGCに加盟している食品スーパーは200社を超え、総年商は5兆6000億円規模を誇る。節約志向に対応したCGCブランド「ショッパーズプライス」「断然お得」商品など、アークスのCGC商品販売額は加盟社の中でもトップレベルだ。
一方、アークスはバローホールディングス(岐阜県)、リテールパートナーズ(山口県)と2018年12月に新日本スーパーマーケット同盟を結成。
各社の商品ルートや子会社体制を生かし、CGC商品を補う形でオリジナル商品の開発強化にも取り組んでいる。
「同盟の食品売上高は1兆円を超え、業界大手に負けない商品開発が評価されており、3社が互いにメリットが出る形で協業している」。
店舗展開面では、昨今の建築コストの高止まりの影響により、新規出店よりも既存店の活性化投資を強化する。特に注力するのは「スーパーアークス」への業態転換だ。
「ここ数年で土地価格は2倍になった上に、資材や人件費などの建築費用が高騰している。新店を作っても黒字化するのは難しい時代。スーパーアークスへの業態転換を含めた改装投資を進めることで、新店出店に近い売上・利益を稼ぐ」。
「協業の力」は生産性の向上といった守りの施策にも発揮される。前期は新日本スーパーマーケット同盟との連携によりAI活用の研究・実証に取り組んだほか、電子棚札をグループ各社に拡大導入。
また、パート社員の作業標準化・仕組化、プロセスセンターの活用など各社の成功事例をグループ全体に横展開している。
「商品の価格(競争)も結局、経営トータルのコスト競争力に行きつく。上場企業として成長を持続するため、ただ売上が上がれば良いわけではなく、業務の生産性を上げ利益を出し続けなければいけない」。
「売上高1兆円構想」に向けて――。前期(2026年2月期)はグループ売上高6269億円と過去最高を更新、営業利益は過去2番目の176億円と絶好調だが、1兆円への道のりはまだ遠い。今後もアークスと志を同じくする地域食品スーパーの再編(M&A)を主導し、「八ヶ岳連峰経営」をさらに深化する考えだ。
横山会長はM&Aを「マインド&アグリーメント」と独自の造語に置き換えて説明する。「今は明らかにオーバーストアの時代で、将来の先行きに不安を持っている地域食品スーパーも多い。アークスは独自性を尊重し、頭から押し付けることはしないが、各社には決めたことはしっかりと守り、後戻りしない覚悟が求められる」と強調した。
