飲料系飲料サントリー「ギルティ炭酸 ...

サントリー「ギルティ炭酸 NOPE」の開発にも活かされた「見たいと欲する現実しか見ていない」を自覚して洞察すること

 サントリービバレッジ&フードの木村穣介社長は、ユリウス・カエサルの言葉「人間ならば誰にでも、現実の全てが見えるわけではない。多くの人たちは、見たいと欲する現実しか見ていない」を自覚して洞察するまでを座右の銘とし、これを社員に言い聞かせている。
この姿勢は、3月24日に新発売した「ギルティ炭酸 NOPE(ノープ)」の開発にも活かされた。

 「NOPE(ノープ)」は、後ろめたさを感じつつも、つい自分を甘やかしたいという欲望を肯定するといった人間くささに焦点を当てた炭酸飲料ブランド。

 その開発にあたっては、健康志向の高まりを「見たいと欲する現実しか見ていない」と疑うことから始まったとみられる。

 6月、取材に応じた木村社長は「健康でありたいというニーズは99%理解するが、人間の心には裏側の気持ちもあり、それをしっかり見ていくことが大事」と語る。

 世間一般でみられる失敗の多くは「見たいと欲する現実しか見ていない」ことにあると指摘する。

 「失敗しないためには、見たくない現実を見るしかない。見たくない現実を見て、それが意味するところを洞察する能力が知性・インテリジェンスであると私は思っている。そのためには知識が要るのだが、知識だけあっても意味がなく、いろいろな経験を経て知識を使いこなすような勉強も必要」と説明する。

 洞察までは、他人に指摘されてできることではなく、自分一人でやることとする。

 「見たいと欲する現実しか見ていない人に、周りがいくらアドバイスしたところで、聞く耳を持たず失敗する。洞察も他人の意見を聞いてしまうと中途半端な洞察になる。洞察まで自分一人でできれば、その先は一人で解く必要はなく、他人の英知を取り入れるなど解法を広く集めたほうがいい」と述べる。

塩野七生『ユリウス・カエサル ルビコン以前―ローマ人の物語IV―』(新潮社刊)
塩野七生『ユリウス・カエサル ルビコン以前―ローマ人の物語IV―』(新潮社刊)

 木村社長は塩野七生氏の歴史小説「ローマ人の物語」でカエサルの言葉に出会う。

 「見たくない現実を見るしかないといったことはかねてから考えていたことだが上手く表現できなかった。『ローマ人の物語』で、自分の考えがカエサルの言葉と一致したと思い、以来、カエサルの言葉を引用している」と振り返る。(おわり)

関連記事

インタビュー特集