今年10月からのビール類酒税一本化にともない、各社の主力発泡酒ブランドが軒並み“ビール化”を計画する。他社に先がけて昨年9月にこの方針を発表したサントリー「金麦」は、新たなニーズをとらえた市場活性化に取り組む構えだ。
「『金麦』は今年、酒税一本化で顕在化するニーズに対応するべく“デイリービール市場”の創造に挑戦。エコノミー価格帯で価格以上の価値を提供し、手ごろに満足感あるビールを楽しみたいというニーズに応える」。
7月16日の発表会で、サントリーの西田英一郎社長が宣言した。
生ビール市場を切り開いた「純生」(1967年)に始まる同社のビール事業は、環境変化をチャンスに変えてきた市場創造の歴史でもある。
なかでもバブル後の景気低迷期に登場し発泡酒ブームの火付け役となった「ホップス」(1994年)や、新ジャンルの代名詞ともいえる「金麦」(2007年)は、低い酒税率を生かしたエコノミービール類を日本の飲酒シーンに定着させた。
10月の酒税改正ではビールは減税、発泡酒は増税となり同一税率に。店頭での価格差は残る見通しだが「値段に大差ないならビールを」という流れが強まることが考えられる。各社が“ビール化”を進める背景だ。
「昨年にビール化を発表して以降、多くのお客様からさまざまな声をいただいた。当社調べでは『興味がある』という回答が6割。手ごろな価格帯を維持することへの驚きや、味わいの進化への期待も寄せられている」(常務執行役員 多田寅氏)。
新たに〈豊潤〉も

「金麦」「同〈糖質75%オフ〉」とも麦芽比率を50%以上に変更し、スピリッツ添加をなくすことで現行の「発泡酒②」から「ビール」へと刷新。10月6日からの新発売を予定する。
さらに「金麦〈豊潤〉」も登場。豊かな麦の味わいとすっきりした後味で、一日を締めくくるのにふさわしい満足感ある飲みごたえとすっきりした後味を実現した。現行の「同〈ザ・ラガー〉」に代えて10月13日から新発売する。
「ビール類市場は20年を境に縮小が進むが、これに歯止めをかけ再活性化を図りたい。お客様ニーズに寄り添い進化した金麦でビールのある豊かな生活をご提案する」(西田社長)。
金麦ブランドの今年の出荷数は2850万㌜の見通し。将来的に3500万㌜を目指す。
