ビールのうまさは「辛口×冷え」。アサヒビールは「スーパードライ」ブランドを4年ぶりに全面刷新する。10月にビール類酒税統一が控える今年、冷やすことでより冴える辛口のうまさを武器に、市場の流れを変える考えだ。
「酒税が統一され価格差が縮小するなか、もう一度お客様が本当にうまいビールを求める瞬間がやってくる。そのときに選ばれるブランドとなるよう価値を明確化し、磨くことが重要だ。お客様の期待を超えるために『スーパードライ3.0』を始動。新しい辛口でビールの流れを変えることに挑戦する」。
5月29日のブランド戦略説明会で、常務執行役員マーケティング本部長の古澤毅氏=写真㊧=が宣言した。
日本の消費財販売額で最大のブランドである「アサヒスーパードライ」の登場は1987年。「ビールは苦くて重い味」という当時の常識を「辛口」のコンセプトで塗り替えた。さらに22年には、発売36年目にして初のフルリニューアル。嗜好や時代の変化に合わせて辛口をアップデートした。

これに続く「スーパードライ3.0」では、ユーザーが生ビールに最も期待する価値「冷え」にフォーカス。2回目のフルリニューアルに踏み切る。
「冷えは単なる温度でなく、味を構成する本質的な価値のひとつ。スーパードライの辛口は、よく冷やすことでその真価を発揮する」(古澤氏)。低温では炭酸が液体に溶けやすくなり、のどへの刺激感がアップ。苦みを感じづらくなり、後味のすっきり感も増すためだ。
低温でも飲みごたえを楽しめるよう麦芽使用比率を高めるとともに、ホップの品種を見直してキレを向上。よりダイナミックな辛口が楽しめるようになった。4℃未満に冷やすことで辛口が最も引き立つほか、全温度帯でうまさが向上したことが確認できたという。
8月製造分から順次リニューアル品に切り替え。今年は7102万㌜(前年比103%)の販売を目指す。
また「スーパードライ 生ジョッキ缶」も刷新。フルオープン缶ならではの広い飲み口で、向上した飲みごたえを一層楽しめる。さらに度数3.5%の「同 ドライクリスタル」では、心地よい苦みが特長のホップの使用量を増やすことで、飲んだ瞬間の飲みごたえを高めた。ホップ品種の配合比率も調整し、スーパードライらしい辛口のキレもさらに磨いた。
酒税改正が行われる10月以降、TVCMや屋外広告、料飲店での企画、街頭サンプリングなどを過去最大規模で実施する計画だ。
大手4社「ビール化」出そろう
なお、同社ビール類のポートフォリオのうちエコノミー価格帯の「クリアアサヒ」は、麦芽使用比率を高めることで発泡酒からビールへと区分変更することも明らかにされた。酒税一本化を前に、ビール大手4社の主要発泡酒ブランドで“ビール化”の方針が出そろったことになる。



