伊藤忠商事による株式公開買付が成立し、伊藤忠食品は5月19日をもって上場を廃止、21日付で同社の完全子会社となる予定だ。これにより、三菱・三井・伊藤忠の3大商社系列の大手食品卸はいずれも非上場となり、卸業界は新たなステージを迎える。
▼昨年実施された三菱食品の買収総額は1377億円。今回、伊藤忠食品の株式52%超を保有する伊藤忠商事が全株取得に投じた総額は784億円。昨今の株高に加え、成長期待として相応のプレミアムが発生するディールとなった。
▼親子上場の解消という側面があるにしろ、商社出身の元大手卸幹部は「川下から川中に、商社が本気で投資する時代になった」と表現する。
▼完全子会社による意思決定の迅速化と取込利益の増加はもちろんだが、深刻化する人手不足と物流課題への対応、膨大な取引データを活用した需要創出、海外戦略など、商社のグローバルネットワークと融合した機能拡充と成長戦略に期待がかかる。川上と川下、さらには消費者もつなぐ、サプライチェーンの全体最適役として卸売業の役割は増している。



