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製粉協会 前鶴俊哉会長 内麦拡大、生産側との連携を密に 外麦、制度の安定運用を

製粉協会は、前鶴俊哉氏(ニップン社長)を新会長に選任した。前鶴氏は71代(21~22年)に続き2度目の会長就任になる。任期中は、輸入小麦の安定的な確保、法整備への対応、内麦のさらなる振興、小麦粉需要の拡大をテーマに掲げ、コスト高や世界情勢の変化への対応が迫られる中で協会のかじ取りを担う。前鶴氏に産業界の課題と解決に向けた取り組みについて語ってもらった。

  ◇  ◇

日本経済がコスト高に苦しむ中、製粉協会の75代会長を拝命したが、大変身の引き締まる思い。今後1年間は産業界を取り巻く環境の変化に対応すべく、課題に正面から向き合い、解決に向けて努力する。前回の会長就任時はコロナ禍で対外的な業務がほとんどできなかったが、今回は新たな気持ちで産業界をしっかり盛り上げていきたい。

課題は大きく分けて4つある。1つ目が「国内産小麦のさらなる生産拡大への対応」だ。新たな食料・農業・農村基本計画が閣議決定され、食料安全保障の確保がクローズアップされている。こうした中、2030年時に国内産小麦の年間生産量を137万tに引き上げる目標が立てられた。直近の実績は100万t前後なので約3割増ということになる。目標達成のためには、克服しなければいけない課題がある。使いやすく小麦粉2次加工企業や消費者にとっても価値のある小麦でなければならない。これまで以上に生産者サイドや関係機関との連携を強める必要がある。これを受け、当協会では安全で高品質な小麦粉の安定供給という使命に引き続き取り組む。

2つ目は「輸入小麦の安定的な確保」。近年、国内外では大雨や干ばつなどの気候変動や紛争などの地政学リスクが、国際的な穀物需給や相場、物流に大きな影響を与えている。今後も先行き不透明な状況が続くだろう。前回の就任中には、22年2月にロシアによるウクライナ侵攻が始まった。当時、小麦の国際相場が急騰して、非常に厳しい局面を迎えた。現在も中東問題をはじめ、常に世界のどこかで何かしらの火種が生まれている。起きてしまったことは仕方ない。いかに対応するかが大切だ。こうした世界情勢を踏まえて、新たな基本計画では輸入小麦についても安定的な確保と、適正な備蓄の運営が盛り込まれている。輸入小麦も国家貿易制度の安定運用が非常に重要になる。当協会としても農水省をはじめとした国内外の関係機関とコミュニケーションを取りながら、良質で安定的な数量の輸入小麦を確保するために努力しなければならない。

様々な法整備が進んでいるが、これらへの対応も求められている。食品産業の持続的な発展に向けた計画認定制度と、適正な価格形成を図るために食料システム法が整備された。物流問題については、改正物流効率化法が施行している。それ以外にも安全性確保や、表示の適正化、環境対応などに関する制度が整備され、見直しの議論も進んでいるところだ。製粉産業にかかわりが深い法令については、漏れのないように適時適切に対応したい。

4つ目の課題は小麦粉の需給拡大。小麦粉需要を増やすことが産業界の発展につながる。コロナ禍が一服してインバウンド需要が戻った。外食産業は回復基調にある。こうした中で小麦粉の販売数量も復調した。この機会を逃すことなく消費者、実需者のニーズや生活様式の変化を的確に捉えて小麦粉の需要拡大につなげる活動をすべきだと考えている。

これらは当面の取り組むべき課題として最も重要で、中長期的な視点からも対応しなければいけない。会員が一致協力して、関係業界、消費者と手を携えてサステナブルなサプライチェーンの構築を目指したい。

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