丸美屋食品工業は、低調な動きを強いられている釜めしの素のてこ入れを図る。
6月19日から7月末までの期間限定品として「ひよこチップ入りのりたま」付きの「とり釜めしの素」「五目釜めしの素」を一部の量販店で展開する。発売65周年を迎えた「のりたま」とコラボした企画品を通して需要や購買を喚起する。
同社の釜めしの素群の今12月期販売実績は、1~5月の累計で前年比8%減。主力の「とり釜めしの素」「五目釜めしの素」がともに10%減と前年を大きく下回った。ふりかけ群と中華群がともに同3%増、セット米飯などの米飯群が同14%増と順調な動きを示す一方、釜めしの素は主力品を中心に低調に推移。市場もほぼ同様の動きを余儀なくされている。
物価上昇と節約傾向、さらにコメの価格上昇が続くなか、ふりかけは市場も順調に推移している。コスパの良さが評価されているとみられる。
「コメに対する消費者の関心が高まり、コメやコメ関連の商品が見直されている」(同社)可能性がある。
これに対し、釜めしの素は低調に推移している。同社は「コメの価格が上がり、炊飯機会が減っているのかもしれない」「コメ関連商品の販促機会が減っている可能性もある」と指摘。米価格上昇のマイナス影響を受けているとみられる。
丸美屋食品は、こうした状況を踏まえ、釜めしの素の提案を強化する。7月末までの期間限定品は「ひよこチップ入りのりたま」(小袋2.5g×2袋)を封入した「とり釜めしの素」と「五目釜めしの素」。「のりたま」発売65周年を記念し1月に発売した期間限定品「ひよこチップ入りのりたま」(20g)の販売は順調に推移。「のりたま」とコラボした企画品をフックに釜めしの素の販売底上げを図る。
同社は、一部のエリアや得意先の動きと前置きしたうえで「直近のところで、政府備蓄米と一緒にふりかけを売りたい、釜めしを売りたいという声、そういう引き合いが出てきている」とする。政府備蓄米の販売をきっかけにコメやコメ関連の商品への関心が高まる可能性もある。釜めしの素の動きにも期待がかかる。
