「北海道コーン茶」競合品増加を追い風に好調維持 2024年販売数量は前年比約2倍 25年1-4月も2ケタ増 ポッカサッポロフード&ビバレッジ

 ポッカサッポロフード&ビバレッジの「北海道コーン茶」は、コーン茶飲料カテゴリ競合品の増加を追い風に好調を維持している。

 「北海道コーン茶」の2024年販売数量は、525mlPET・275mlPETと「1L 業務用北海道コーン茶」の計3SKUで前年比約2倍(194%)を記録。競合品が増加した今年1-4月も2ケタ増となった。

 競合品増加によりコーン茶飲料カテゴリが話題化し、このことも「北海道コーン茶」の追い風になっているという。

 5月19日、取材に応じた高井朋子マーケティング本部ブランドマネジメント部マネージャーは「SNSなどを見るとコーン茶の話題は昨年くらいから増えているが、今年になってさらに増えている。昨年頃から競合商品が出てきている中で、コーン茶が話題化されプラスに働いているとみている」と語る。

高井朋子マーケティング本部ブランドマネジメント部マネージャー
高井朋子マーケティング本部ブランドマネジメント部マネージャー

 「北海道コーン茶」については昨年からSNSの発話量が急増。板垣李光人(りひと)さんを起用したコミュニケーションを昨年5月から展開したことに加えて、著名人の自発的な発信も広がっている。

 「板垣李光人さんや『北海道コーン茶』を愛飲して下さる著名人のファンの方たちに盛り上げていただき、様々な切り口で話題化されていることが好調要因の1つ」とみている。

 コミュニケーションターゲットとしていた20‐30代女性を多く獲得することができた。

 SNSには競合品との飲み比べの感想も寄せられ「北海道コーン茶」については「コーンの甘さと香ばしさのバランスが良くてお茶として飲みやすい、というお声を頂戴している」という。

 「北海道コーン茶」は、北海道産契約栽培とうもろこしを使用して焙煎にこだわり、無糖でスッキリ感がありながら甘みも感じられるように仕立てられ、このとうもろこし由来の自然な甘い香りの味わいやカフェインゼロの中味設計が受け入れられている。

 2012年に発売開始した前身の「やすらぎ気分のコーン茶」が、宅配カタログで女性・子ども向け商品の特集ページに紹介されて売れ始めたのがコーン茶の可能性の最初の気づきとなり、その後、21年に原料を北海道産とうもろこしにこだわり「北海道コーン茶」として発売し拡大の一途を辿る。

 約2倍となった昨年以降の好調要因としては、前述の話題化に加えて、カフェインゼロや無糖を挙げる。
 「無糖茶飲料市場が多様化している中で、調査をしてみると、若い女性の方を中心に“美容や健康に良さそうなお茶”というイメージを持たれており、独自のポジショニングを獲得している」と分析する。

 ポジショニングとしては、競合品と比べて、止渇性ではなくやや嗜好性に重きを置いた立ち位置にあるという。

 接点としては、「1L 業務用北海道コーン茶」による外食などの家庭外市場が大きく寄与している。

 「コーン茶はもともと韓国で飲まれているお茶であることから、焼肉屋や韓国料理屋を中心に導入が広がっている。外食店で初めてコーン茶を飲まれた方がペットボトルでも飲んでみようといった具合に上手く循環している。SNSではお酒と割ったコーン茶ハイやコーン茶割りの発話も多くみられるようになった」と述べる。

 原材料のとうもろこしの産地である北海道も接点に挙げる。
 「昨年は北海道旅行でコーン茶を飲まれて、旅行後に売場で『北海道コーン茶』にトライアルされるという動きも見られた」と振り返る。

 容量別ではメイン商品の525mlPETが牽引。

 昨年3月に発売開始した275mlPETは主に自販機で販売され、トライアル獲得に貢献したほか、冬場のホット需要の獲得で手応えを得る。

 「ホットならではのおいしさがあると考え発売したところ、実際、お客様から“甘香ばしい味わいで、ホッと癒される”といったお声を頂戴し、新たに秋冬の需要を開拓できた」という。

 飲用シーンは日常生活の幅広いシーンを獲得。

 周辺カテゴリについては「お客様の声からルイボスティー、黒豆茶、ジャスミンティーなど、無糖・カフェインゼロで香りのある飲料と買いまわる傾向が見受けられる」と説明する。。

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