世界ラーメン協会(WINA)は2月25~26日、フィリピンの首都マニラで「第11回世界ラーメンサミット」を開き、各国の即席麺メーカー経営層や関連事業者ら250人超が出席、国境や文化の違いを超えて社会課題の解決に向けて連帯していくことを確認した。
安藤宏基WINA会長(日清食品ホールディングス社長・CEO)はフードテックによって即席麺を進化させることの重要性を強調し、加盟各社がそれぞれの国で社会貢献活動を展開する新たな取り組みの提案も行った。
WINAは1997年に設立され、現在は27か国・地域の139社・団体が加盟。安全・安心に関わる品質向上や災害支援など業界共通の課題に幅広く取り組んでいる。
「世界ラーメンサミット」の対面開催は7年ぶり。大会では各社が4つの重点分野(「栄養と健康」「環境保全」「食品安全」「その他社会課題の解決」)に基づき設定した自主目標である「WINA Challenge Target」を初めて対外的に公表。さらにメーカー各社が具体的な取り組みを通じて連帯し地球規模の問題解決とWell-being実現への貢献を「マニラ宣言」として採択した。
基調講演に登壇した日本アセアンセンターの平林国彦事務総長は「即席麺は多様な地域と文化の人々に根付いた食文化だが、世界の変化に対して適応が必要」と指摘。ウェルネス経済は2028年に9兆㌦規模に成長するとの見通しを示し、「減塩や食物繊維の強化など、より良い健康とWell―beingに貢献する食品へと変革するチャンス」と述べた。
安藤WINA会長は「その他社会課題の解決」をテーマにしたフォーラムに参加。フードテックによって即席麺産業がさらなる成長・発展を目指していくことが重要との認識を示したほか、「WINA Challenge Target」を念頭に加盟各社による社会貢献活動として「WINA Day」という新たなイニシアチブの実行を提案。
具体的な事例として
①子ども食堂支援や食育イベントなどのWell-being活動
②植林などのPlanetary Health活動
③防災・減災につながるローリングストック等のレジリエンス活動
④原材料提供企業との対話や小売業者と連携したCO2削減などのマルチステークホルダー活動
――を挙げた。
さらに日本の国連WFP協会会長の立場から、世界人口の約9%が飢餓状態にあることに触れ、「食に携わるわれわれにとって対応することが必須の課題」と社会貢献の必要性を訴えた。
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