サラダクラブ パッケージサラダ内容量変更 原料供給に応じた価格も視野に

サラダクラブは、1月17日店着分から「千切りキャベツ」などパッケージサラダ5品目の内容量変更を開始。今春に向けて1袋100円の壁突破に舵をきる可能性を示し、野菜生産者、流通、消費者のサプライチェーンの理解を深めながら、慎重に進めて行く考えだ。

昨年の猛暑や12月以降の急激な寒波、降雨不足等の異常気象で、秋冬のキャベツの主力産地である愛知、静岡、九州産地の生育が遅れ、大幅な供給量減少を招いた。契約生産者は早採りを進めており、例年だと4~5月のキャベツ端境期にむけて貯蔵するが、これも厳しく、原料確保も難しい状況だ。

平年のキャベツの卸価格は1㎏当たり82~89円前後だが、昨年11月25日に295円の高値をつけ、年明け後も350円超えの353円(1月5日)と落ち着かず、4倍の相場が続いている。

同社は、例年以上のパッケージサラダの需要増加に合わせ、前年比110%以上の野菜量確保の準備をしていたが、それを上回る130%以上の発注量があり、こうした状況は2月まで続くと予測。1月17日店着分から内容量変更に踏み切り、当面は3月上旬あたりまで続ける意向だ。
サラダクラブは設立当初から、常に安定した調達ができるよう約400の契約産地から旬の野菜を調達してきた。だが、昨年3月以降、相場が荒れ場面が増え、昨年夏の猛暑で需給バランスが完全に崩れた。昨年は1袋100円の危機もあったが、「身銭を切って凌いできた」(金子俊浩社長)。

「キャベツ生産量の減産の影響は3月、場合によっては4~5月まで続くかもしれない」(小林慶一郎専務)とし、今回は緊急対応として減量したが、「今後もこの状況が続けば、3月を目途に1袋100円の壁を破り、最終的には固定価格から原料供給環境に応じた価格設定に変更する検討に入る」と言う。「今までは身銭を切って値上げを回避してきたが、相場高騰が続き、値上げしなければ中長期的にもビジネスが成り立たなくなる」と厳しい事情を説明。ただし「生産量が減り、パッケージサラダを手軽に食べられず、野菜摂取量が減るような負のスパイラルだけは避けたい」と言う。

今回の内容量変更について、金子社長は「生産者、流通、消費者のサプライチェーンの状況を見据え、産地の事情を理解した上での結論であり、原料供給環境に応じた価格設定に変更するにするための第一ステップだと理解している」と語った。

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