8.5 C
Tokyo
15.1 C
Osaka
2025 / 12 / 20 土曜日
ログイン
English
小売CVSセブン‐イレブン「SIPストア」成功事例を水平展開 人流回復も戻りきらず定着化する在宅勤務などに着目 永松社長が意欲

セブン‐イレブン「SIPストア」成功事例を水平展開 人流回復も戻りきらず定着化する在宅勤務などに着目 永松社長が意欲

 セブン‐イレブン・ジャパン(SEJ)は新コンセプト店舗「SIPストア」で得られた成功事例を順次水平展開していく。

 水平展開について、24年12月18日取材に応じた永松文彦社長は「焼成パンやドーナツ、紅茶といった出来立て商品を拡大していく。加えて、納豆や豆腐といった生活デイリーや冷凍食品も広げていく」と語る。

 加盟店との共生を前提に拡大していく考えで、通常面積の直営店舗にSIPストアのエキスを入れたものをまずテストし、さらに加盟店にも拡大していく。

 この基盤となるSIPストアそのものについては「全国約2万1000店舗が拡大均衡していくためのテスト店」と位置づけている。

 この考えのもと「セブン-イレブン松戸常盤平駅前店」(千葉県松戸市)がSIPストアに選定された。SIPストアオープン後、目と鼻の先に競合スーパーが出店したことも「織り込み済みだった」という。
 競合スーパーの出店後、伸びは若干鈍化したものの10%以上の成長を維持している。

 「もちろん生鮮などは影響を受けているが、本当に短い時間で必要なものが購入できるワンストップショッピングがコンセプトであり、そういった意味では想定内の動き」とみている。

 荒利益率改善効果もみられた。

 「想像以上に出来立て商品のニーズがあり、加工食品、雑貨などの非食品の品揃え拡充によりタバコの構成比が大きく下がり、直近で荒利益率は2ポイント上昇した」と説明する。

「お店で揚げたカレーパン」
「お店で揚げたカレーパン」

 出来立て商品でバリューチェーンを活かした商品開発の好例には「お店で揚げたカレーパン」が挙げられる。

 23年の累計販売数は76,987,667個を達成。「最も販売されている揚げたてカレーパンブランド」にギネス世界記録に認定された。

 24年9月時点で5000店舗にて販売され、平均販売数は1日当たり約25個、日販でプラス0.4%、荒利益でプラス0.2%の効果を出現。これらの成功事例をもとに24年下期(2月期)には全体に拡大していく。

 コーヒー、紅茶、スムージーの出来立てドリンクも好調。

 スムージーは昨夏、一時的に供給がタイトになったことから供給体制を整え、今夏に新商品を予定する。

 紅茶は現在、新たに北海道を加えて約70店舗でテスト展開。「導入店舗ではコーヒーとほぼ同数が売れることから、今後焼成パンやドーナツととともに展開していく」との考えを明らかにする。

 市場環境については、人流回復したものの、オフィス勤務へと戻り切らず定着化した在宅勤務などイエナカニーズに勝算を見込む。

 「全体的な傾向としては、やはり、生活防衛意識と価格感度が高まり、よりリーズナブルな商品の売上げが伸びる傾向がある。もう一つはコロナ禍で仕事の仕方が変わり在宅勤務が増え、かつてと比べると人の動き自体が少なくなり自宅周辺での消費が高まっている」との見方を示す。

関連記事

インタビュー特集

米国の認証機関として、米国輸出への総合支援に自信 認証だけでなく、企業の社会的信頼を高める仕組みづくりもサポート ペリージョンソン ホールディング(PJR) 審査登録機関

ペリージョンソン ホールディング(TEL03-5774-9510)は、ISO認証、ビジネスコンサルティング、教育・研修事業を通して顧客のサステナビリティ活動の普及に尽力。

国際的情報豊富な感覚で審査を展開 細分化したフードセクターに精通した審査員多数 SGSジャパン(SGS) 審査登録機関

SGSはスイス・ジュネーブに本拠を置き、試験・検査・認証機関としては世界最大級の規模である。世界115カ国以上に2500以上の事務所と試験所を有し、各産業分野における検査や試験、公的機関により定められた規格の認証などを行っている検査・検証・試験認証のリーディングカンパニーである。

キンレイ「鍋焼うどん」、さらにおいしく進化 自社工場でかつお節を削り出した理由とは 50年のこだわり脈々と

キンレイの冷凍具付き麺「お水がいらない」シリーズが販売好調だ。2010年に立ち上げ、昨24年までに累計2億食以上を販売している。

日本酒「獺祭」輸出4割増 「海外トップブランドが強み」桜井社長

清酒「獺祭」の輸出が世界各国で伸びている。前9月期は総売上高213億円(前年比9%増)のうち、輸出実績(未納税含まず)は79億円、実に4割増だった。

日清オイリオ久野社長 価格改定の早期完遂目指す 家庭用、中長期視点で強化

日清オイリオグループの久野貴久社長は、喫緊の課題として価格改定の早期完遂と、ホームユース(家庭用油)の販売強化に取り組む方針を示した。