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トップニュース新業態を模索する近畿小売業 域外にも積極出店 オーケー進出で風雲急告げる
2025台湾食品調達商談会 in Osaka by 台湾貿易センター

新業態を模索する近畿小売業 域外にも積極出店 オーケー進出で風雲急告げる

近畿のスーパー各社が、新業態の展開やエリアを超えた出店に力を入れている。

オークワは9月、惣菜専門の新業態「ANDDELICA谷町店」(大阪市中央区)をオープンした。売場面積25坪の小型店で、店内製造のおむすびやパン、自社工場製の和惣菜など約150アイテム(惣菜76%、ベーカリー24%)を揃える。

場所は大阪メトロ・谷町四丁目駅のそばで500m圏内の人口は約1万人だが、昼間人口は4万7000人と昼夜で大きく異なる。1日の客数は約700人を想定し、年商1億3000万円を見込む。

大桑弘嗣社長は「売場面積の確保が難しい、都市部への新たな出店手段として考えている。お客様の反応を見ながら今後の出店を前向きに検討する」としている。

コープこうべは8月末、コープ商品の比率を40%に高めた小型店「コープ伊丹」(兵庫県伊丹市)を開店した。供給高の構成比は50%を見込む。

通常、コープ商品の比率はアイテム数、供給高とも2~3割だが、同店は売場面積85坪の小型店ながら300~400坪の店舗と同等の約1300アイテムを置く。特に冷凍食品、和日配、畜肉加工品などのカテゴリーはほぼコープ商品で占められる。

今回は組合員が交流するための「つどい場」(約15坪)も設けた。その分、売場面積は狭まるが、イベントなどを開催し集客しながら新規組合員の獲得を狙う考えだ。西田浩三常務理事は同店での取り組みが「今後、他の店でも通用するか検討する」としている。

イオンリテールは9月、関西で初となる冷凍食品専門店「@FROZEN」をイオンスタイル四條畷(大阪府四條畷市)にオープンした。全国では11店目。

売場面積95坪に約1500品目を揃える。今回は有名店のお好み焼や生八つ橋など、関西らしい品揃えも意識。“コナモン”もコーナー化した。

デイリーフーズ商品部の青木郁雄部長は「冷凍食品の将来性は大きい。既存店舗の活性化にもつながる」と説明する。11月1日には近畿2号店をイオンモール堺北花田店に開店、今後も近畿での出店を継続し、既存店舗の競争力向上を図る。

足下に迫るオーケー

近畿では11月26日に、オーケーがエリア初となる高井田店(大阪府東大阪市)を開店する。すでに兵庫県などへの出店も計画しており、食品SM間の競争が激しくなるのは必至。さらに、愛知県のカネスエも11月、大津市へ関西1号店をオープンする。

こうした動きに対し、近畿の小売各社は新業態による展開を模索するとともに、他地区でのドミナント強化にも積極姿勢を示す。

平和堂は25日、愛知県知多市に知多店をオープン。同市への出店は初だが、愛知県内は19店目となる。4月には日進香久山店(日進市)を開いており、今期中に守山小幡店(名古屋市)の開店も予定する。平松正嗣社長は「東海は食品SM中心のドミナント構成で、NSCを中核に展開する」との考えを示している。

オークワも7月にスーパーセンターオークワ知多店(知多市)を開業した。愛知県内12店目で、好調なスーパーセンター業態の出店により県内での存在感を高める。

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