UCC上島珈琲が販売する「UCC BLACK 無糖」が、上期(1-6月)のSOT缶市場の厳しい環境下でも善戦している。
この要因について、取材に応じた油谷仁敬マーケティング本部飲料マーケティング部部長は、飲み切りサイズのSOT缶に、品質にこだわった「BLACK 無糖」の中味が当てはまったとみている。
「コーヒー飲料の味が多様化するなかで、SOT缶はその瞬間にスイッチや気合を入れたりする覚醒ニーズがあると考えている。PETコーヒーはどちらかというと喉の渇きを潤す止渇ニーズが高く、SOT缶にはより本格コーヒーが求められている」との見方を示す。
単品販売に加えて、6缶パックも取り組みを強化したことが奏功して大きく伸長。
「6缶パックでまとめ買い需要を刈り取り、量販店さんでは前年以上に非常に伸びた」と手応えを語る。
30周年を記念するキャンペーンも好評を博した。6月10日の「無糖の日」を機にX(旧Twitter)でオープンキャンペーンを行ったところ、通常のオープンキャンペーンよりも反応が良かったという。
「30年という歴史あるブランドで特にSOT缶のイメージが強く、昔の話題や思い出についてのコメントをいただき、改めてブランドの資産に気づかされた」と振り返る。
「BLACK 無糖」は今春、発売30周年の節目を迎えリニューアル発売。
中味は、3温度帯での抽出時の中温から高温のパートを一部見直したことで、キレが増した味わいに進化。
パッケージは、ブランドロゴの視認性を向上させて、UCCの抽出に対する誇り・姿勢を“PRIDE IN BREW”と表現。ブランドのメインカラーである黒をこれまで以上に引き立たせるために、要素を整理し色数も厳選した。
なお、 インテージSRI+によると、上期(1-6月)コーヒー飲料市場は販売金額で前年同期比0.3%増、販売数量で3%減。各社の価格改定により販売数量が伸び悩んだ。
このうちSOT缶のブラックコーヒー市場は、販売金額が0.4%増、販売数量は4.2%減となった。