加藤産業は18、19の両日、神戸国際展示場で「秋&冬の新製品発表会」を開催した。50回目を迎えた今回は、昨年を約1千人上回る得意先4千200人が事前登録。580社(常温・菓子378社、低温84社、酒類118社)が出展した。アイテム数は常温・菓子5千300、低温800、酒類500の合計約6千600で、このうち新製品が約1千900を占めた。
企画提案コーナーでは「監修・コラボ鍋つゆ」「香り訴求型」といった秋冬のトレンドを示し、それらに対応した商品を展示。このうち、「香り訴求型」は商品名に“香ばし”“香る”といった言葉の入った調味料やスープ、菓子、飲料などを集めた。
オリジナル製品コーナーでは「カンピー ザ・プレミアム」の新製品である紙容器入りのジャム「芳醇果実」シリーズ、ブランド初の機能性表示食品「グロビンペプチド配合つぶあん」、女性社員が開発したレンジ調理用の「味噌煮の素・酒粕入り」などを試食提供した。「二極化の中で値頃感・お得感が求められているが、今回はもう一方のプレミアム感を前面に打ち出した」(太田茂治ブランド事業部長)。
「ディスカバリーニッポン」には、過去最高の地域メーカー100社(支店推奨の28社含む)が並んで独自の商品を売り込んだ。益子珈琲(栃木県)はブラジルの自社農園で栽培し、益子町で焙煎したシングルオリジンのコーヒーを紹介。最近は豆での購入が増えているため、従来の粉に加え豆の新商品を発売したという。「中部以西の西日本へ販路を拡大したい」と意気込む。
低温商品のコーナーでは万博を見据え、大阪名産の冷凍コーナーを展開。千房、ぼでぢゅう、北極星といった人気店とのコラボメニューを集めた。
また、チルドでは米飯を意識した“ご飯のおとも”を提案。カクテキがっこ(秋田県)、かつおみそ(鹿児島県)などの地域産品を用意した。「パックご飯と合わせ、調理せずに食べられるものを集めた。おつまみにもなる」(担当者)とアピールしていた。
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中村考直専務は会見で次の通り話した。
二ケタ伸びていたのが一ケタになり、100%により近付いているのが小売業の現状である。加えてわれわれも含めコストが上がり、販促にかかわる費用が出しにくくなっている。
その中で商品価値を伝えるだけでなく、その価値を一緒につくることが大事。売れる売場をどう作るか、売るタイミングをどうするか。人口が減り、点数を稼ぐのが厳しい時代になる。変化対応業として、そういう切り替えをしていかなければならない。