三井物産流通グループ 統合後初の「三井食品会」 食品卸の枠を超え新たな機能を提供

三井物産流通グループは1日、帝国ホテル東京で「2024年度 三井食品会」定時総会を開催した。山口聡会長(カゴメ社長)のあいさつに続き、三井物産流通グループの柴田幸介社長が新会社発足の経緯を説明。参加メーカー約280社を前に、柴田社長は「中間流通領域における商物流の全体最適推進と機能の先鋭化を追求し、お客様に新たな価値・サービスを提供する」と力強く語った。

三井物産流通グループは、三井物産流通ホールディングス傘下で、食品・酒類を取り扱う三井食品、大手CVS向けの原材料やパッケージを手掛けるベンダーサービス、CVSのカウンター商材や廃棄物の回収などを行うリテールシステムサービス、物流センターや全国の幹線物流の運営を担う物産ロジスティクスソリューションズの5社が統合し、4月1日付で発足した。

新会社の売上高は約1兆3千億円、従業員数2千600人(パート含め4千人)。営業拠点は全国22か所、物流拠点186か所(総延床面積29万坪)、一日当たり車両台数3千台を誇り、三井物産100%の中間流通企業として今後の方向性が注目されていた。

柴田社長は「従来の食品卸の枠組みを超え、新たな業態の中間流通企業が誕生した。外部環境が大きく変化する中、生産性を高め、成長分野への投資を行っていくためには一定の事業規模が必要となる。グループ各社が培ってきた有形無形の財産を機動的に活用し、お客様が必要な時に競争力のある品揃え、品質、価格での商品・サービスを提供できる企業に進化する」と意気込みを示した。

続いて、若手社員4人が登壇し、全社参加型で策定した新会社の目指すべき姿となる「MVV」(ミッション・ビジョン・バリュー)を初披露。ミッションとして「明日(みらい)の流通をつくる~一人ひとりの笑顔あふれる食と暮らしのために~」を掲げ、「創る×運ぶ×繋ぐで、今日(いま)を支え、Re-DesignするInnovators」をビジョンに、全社員の行動指針となるバリューとして、「新たな挑戦を楽しもう(Always Go Beyond)」「多彩な“個”から共創を(Creativity from Diversity)」「敬意をもって、誠実に(Act with Integrity and Respect)」「変化の波を乗りこなせ(Be Agile and Resilient)」を据えた。

三井食品会の山口会長(カゴメ社長)は、「三井物産流通グループとして新たな一歩を踏み出された。それぞれの強みが結集し、新たなシナジーを生み出され、さらなる発展を遂げられることを確信している。統合後も三井食品会を継続していただいた。会員各社が連携し、グループのさらなる発展に貢献していく」と語った。

なお、24年度の三井食品会の会員企業数は297社。アサヒコ、伊藤ハム、関越物産、さとの雪食品、中村屋、ニチモウフーズの6社が新たに加わった。

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