8.9 C
Tokyo
8.7 C
Osaka
2025 / 12 / 05 金曜日
ログイン
English
加工食品砂糖ウェルネオシュガー WELLNEO VISION 2027始動 「フードサイエンス」軸に成長へ

ウェルネオシュガー WELLNEO VISION 2027始動 「フードサイエンス」軸に成長へ

ウェルネオシュガーは、中期経営計画「WELLNEO VISION 2027」(2024年度~2027年度)を始動した。

「Food & Wellnessの事業拡大」「Sugarの基盤強化」により、2027年度の営業利益+持分法投資損益101億円(2024年度計画比+30億円)、当期利益70億円(同+20億円)、ROE9%(同+2%)を目指す。M&Aや研究開発、成長事業への戦略的投資を拡大。中計期間累計で約270億円~最大420億円を投入する方針を打ち出している。

5月30日の決算説明会で中計の全容が明らかになった。

成長事業として位置付けるFood & Wellnessは、オリゴ糖やサイクロデキストランなど腸内・口腔フローラ改善を訴求する機能性素材や、ツルヤ化成工業との共同開発による食品添加物など「フードサイエンス事業」を軸に事業拡大を図る。

山本貢司社長は「きびオリゴ(フラクトオリゴ糖)は10月、パッケージデザインを一新し広告施策を強化。独自商品『きび砂糖』と並ぶ業界No.1ブランドを目指す」と意気込みを語る。口腔フローラ素材のサイクロデキストランは「今後食品や菓子、口腔ケア、ペットフード市場に向けて拡販。増産に向け千葉工場での設備投資を実施し、2025年度中に本生産を開始する」としている。

また、M&A・業務提携を通じた新規フードサイエンス事業の展開も視野に入れる。中計期間中の投資規模として100~200億円と設定。特に機能性素材や食品添加物領域の成長に必要なリソースを有する企業を対象として投資する方針だ。M&A資金はフリーキャッシュ・フロー、借入の順で調達。WACCを上回るROIC達成を目指す。

砂糖事業の基盤強化では、本年10月のウェルネオシュガー、日新製糖、伊藤忠製糖の3社完全経営統合とあわせて、伊藤忠製糖の100%子会社・第一糖業の吸収合併も実行する。同社は九州に強固な地盤を有し、「きびオリゴ」など付加価値商品の製造拠点となっているが、今後一体となって統合シナジーの最大化を進める。

合併により、調達・生産・物流・営業の各分野において統合シナジーの創出を狙う。約20億円のDX投資を実行し、基幹システムの統合・変革を進める。データ利活用の基盤を強化し、データ分析に基づく経営管理、サプライチェーンの最適化につなげる考えだ。中計最終年度には、営業利益ベースで約15億円の統合シナジーを目指す。

令和5砂糖年度の国内砂糖消費は176万tの見通し。コロナ以前からの漸減傾向は続いており、山本社長は「業界の合従連衡・業界再編の動きは今後も続く見通し。当社としてはグループ生産基盤の強化を推進し環境変化に備える」と強調した。

中期経営計画WELLNEO VISION 2027
中期経営計画WELLNEO VISION 2027

関連記事

インタビュー特集

日清オイリオ久野社長 価格改定の早期完遂目指す 家庭用、中長期視点で強化

日清オイリオグループの久野貴久社長は、喫緊の課題として価格改定の早期完遂と、ホームユース(家庭用油)の販売強化に取り組む方針を示した。

J-オイルミルズ春山社長 次元の異なるコスト環境 油脂、価格引き上げ急ぐ

J-オイルミルズの春山裕一郎社長執行役員CEOは、油脂のコスト環境が悪化する中で、「価格改定の浸透を急ぐ」方針をあらためて強調した。

新潟・葵酒造、2年目は自社栽培米で仕込む 「Domaine Aoi」始動 「日本酒になじみがない方にも」青木代表

「飲むことで幸せを感じられるような日本酒を提供していきたい」と話すのは葵酒造(新潟県長岡市)の青木里沙代表取締役。昨年冬、JR長岡駅からほど近い場所に位置する創業160年超の旧高橋酒造から事業を引き継ぎいだ。

カゴメ次期社長 奥谷晴信氏 国内、新たな成長軸を模索 国際、M&Aも視野に成長を

カゴメの次期社長(2026年1月1日付)に内定した奥谷晴信現取締役常務執行役員(一部既報)。アジア事業カンパニーやグローバルコンシューマー事業部、国際事業本部などキャリアの多くを国際事業に携わってきたが、21年以降は国内事業でも手腕を発揮。

ウーケ 花畑佳史社長 パックごはん、第4工場が来春本格稼働 国内外に新規拡大増やす

利便性と品質向上により、年々市場を拡大するパックごはん。最近はコメ価格高騰の影響や防災食への利用増加が相まって、需要はさらに伸びている。