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加工食品漬物ぬか漬けの素売場拡大 野菜だけでなく、肉・魚にも

ぬか漬けの素売場拡大 野菜だけでなく、肉・魚にも

コロナ禍の在宅時は一気に増えたぬか漬けユーザー。現在は、アフターコロナと値上げの影響などで、いりぬか・ぬか漬けの素は縮小傾向が続く。しかしここにきて、健康志向や美容需要から、再びぬか漬けに注目する小売業もあり、ぬか漬けの素の売場がドライだけでなく農産、日配と広がりつつある。

これから夏野菜が本格化し、ぬか漬けの素も最盛期に入る。野菜あってのぬか漬けの素なので野菜の相場高騰は気になるところだが、ぬかを野菜だけでなく肉や魚へ調味料としての活用を促す商品も増えている。ぬか原料高騰は課題として残るが、最盛期を前に再度ぬか漬けユーザー拡大に業界あげて挑んでいる。

いりぬか・ぬか漬けの素のコロナ以降を振り返ると、20~21年は巣ごもり需要を享受し、売上は二ケタ増の企業も多かった。その時増えたのは、休眠ユーザーの復活だけでなく、今まで少なかった男性や若年層ユーザーだった。タレントのぬか漬けを漬けこむ動画アップも後押しした。

その後、増えたと思われた新規ユーザーの定着は少なく、さらにぬか原料のひっ迫感からの原料高騰で23年は各社が値上げを実施した影響もあり、各社の実績はコロナ前まで戻ってきたのが実情だ。そういった中だが、消費者の根底にある健康・美容需要からぬかへの期待は一定数あり、TVの健康系情報番組でも発酵食品であるぬか漬けの有用性を識者が話している。

現在、ぬか漬けの素の売場を農産売場などに広げるスーパーもある。あるメーカーによると、ドライよりも農産で販売した方が販売数は「5倍多い」という。同メーカーが取り組むスーパーでは、大型店中心にドライ、農産、日配と3部門で扱っている。

また、ぬか漬けは野菜を漬け、食べるときはぬかを洗い落とすのが一般的だが、この常識も修正していく。つけもとは、5月下旬の新商品「まぶしぬか」で「米ぬかごと食べる」を訴求し、さらに焼魚、唐揚げの味付け、炒め物などへの使用を推奨していく。コーセーフーズは、食育やSDGs教育にぴったりの「手作りぬかどこキット」を新発売し、親子で楽しく学んで発酵体験を訴求する。日本いりぬか工業会は5月8日の「ぬか漬けの日」に合わせたアイデアレシピを募集するなど、業界各社がぬかの活用シーンを増やす取り組みでユーザーの底上げを図っている。

(5月17日付本紙に「ぬか漬けの素特集」)

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