加藤産業 上期は増収増益 「流れは変わった」加藤社長

加藤産業の上期(23年10月~24年3月)業績は営業収益が前年比7.2%増の5千838億円、営業利益が7.5%増の95億円。増収増益だった。加藤和弥社長は会見で上期の概況を報告した上で、下期については「流れは変わっており、これまで通り経費が抑えられる状況ではなくなる」とし、次の通り述べた。

【上期の業績について】

営業総利益率(7.16%)は若干低下したが、売上の伸長に伴い経費率が下がり、結果として営業利益率(1.63%)は維持した。売上においては円安や海外のプラス要因もあるが、国内小売市場の価格改定による押し上げ効果が大きい。

ジャム製造のグリーンウッドファクトリーを設立し、新工場が稼働している。その減価償却で赤字スタートしたのは計画通りだ。セグメント別では、海外事業が各国の様々な要因で苦戦している。

【下期の見通し】

大きな変化ではないものの、間違いなく流れは変わっている。下期以降、様々なマイナス要因が発生し、数値的に厳しくなるだろう。

当初は商品の価格改定の方が先行していたので利益も出ていたが、後追いで物流やエネルギーのコストアップが出てくることを考えると、これまで通り経費が抑えられる状況ではなくなる。

【菓子・酒類について】

菓子は加藤菓子ホールディングスを設立した。業務の効率化が狙いであり、カトー菓子と植嶋の2社で営業することは変わりない。ただ、ホールディングスとなったことで、菓子という塊で考え動くことができるようになった。外部に対しても、加藤産業が菓子事業を行っているというのを改めて認識してもらっている。

菓子市場は食品と同様、人口減が避けられないが一方で1日に3食決まって食べるものでもないので、いろいろな手を打つことができる。われわれのボリュームはまだ少ないため、チャレンジすべき分野だと考えている。

厚労省の飲酒ガイドラインについては、影響があるとすればマイナスでしかないが、今のところそれが急激に出ているとは思っていない。むしろ、コロナを挟んだ中での飲酒機会喪失の影響が大きい。

海外のようにアルコール売場での規制が厳しくなれば、買い離れを起こす可能性はあるが、目に見えるようにならない限りは、大きな影響はないと思われる。