国分関信越 エリア共創圏規模拡大へ 常温・酒類・低温が融合

国分関信越(本社・栃木県小山市、前原康宏社長)は4月18日、パレスホテル大宮で方針説明会を開催した。メーカー169社169人(加工食品76、酒類44、菓子11、低温38社)が出席。国分グループの全体方針および関信越エリアの取り組みについて説明した。

国分関信越の前12月期業績は売上高1千889億円(前年比2.2%増)、経常利益17億円(3.3%増)。カテゴリー別の売上高は食品49.4%、酒類27.6%、チルド.冷凍18.3%、その他4.7%。

21年に低温事業を統合し、売上高は1千500億円を突破、2千億円台が視野に入ってきた。経常利益も順調に拡大し、今期は20億円の大台突破を目指す。

関信越エリアは栃木・茨城・群馬・埼玉・長野・新潟の6県を管轄。エリア営業の効率化を図るべく、新たに「大宮オフィス」を開設したほか、埼玉エリアの常温物流再編を実施。営業面では常温・酒類・低温の融合による提案強化とエリア商品の発掘・開発、共創圏の取り組み拡大、物流面では茨城総合センターでのAMR(自立走行搬送ロボット)導入や、LED化など環境対応の取り組みを推進してきた。

留め型・PB商品の開発では、得意先企業が求めたヤングファミリー層を意識したPB開発や、国内外の有名産地原料を使用した商品開発が奏功。和菓子や加工食品、RTDや留め型ビール、ドライ×日配のカテゴリーミックスによる商品展開、開発商品の「KANPAI POTATO」など酒類売場活性化に向けた取り組みが成果を挙げた。

2024年度の基本方針では、エリア長計ビジョンである「エリア共創圏規模No.1企業」の実現に向けて、「新たな顧客の創造とイノベーションを展開し、新たな売上と付加価値を作り、さらなる地域密着の振興を図り、社会インフラとして持続可能な企業体質の構築を図る」(前原社長)。

具体的な取り組みでは、SM・ドラッグ・業務用・ECチャネルの各業態で、食品・酒類・低温が融合したフルライン提案を強化するほか、オリジナル商品・地域密着商品の開発強化、適正収益管理の徹底を図る。物流面では茨城センターのAMRの効果検証と他センターへの導入検討、人口減少を見据えたエリア物流拠点の再構築と友好卸との物流協業など、最適ネットワークの検討構築を進める考えを明らかにした。

そのほか、自社物流拠点を活用した引き取り物流や、メーカー・得意先の在庫預かりなど、コト売りによる収益拡大につなげる。

また、今期からマーケティング部に地域共創課を新設。産官学連携や健康コミュニティなど地域ビジネスモデルの確立を目指す。フードサービス事業では、地域卸や惣菜工場と連携し、グループのフレッシュ原料活用や販路開拓など共創圏拡大の取り組みを加速させる。

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