逆光線(コラム)賃上げと産業間競争

賃上げと産業間競争

「これまでのやり方では、もう人は集まらない。意識を変えないと」。業務用食品卸のトップは、外食・物流業界の人材争奪戦の現状をこう語る。

▼今年の春闘は大手企業を中心に過去最高額の賃上げが相次ぎ、小売や外食にもその波は広がってきた。UAゼンセンによると流通部門、総合サービス部門の妥結額は5%を超える高水準を確保。課題となっている産業間の格差是正の成果も出てきたようだ。

▼冒頭の業務用卸でも、10年前は90日前後だった年間休日を115日に増やし、さらに個人のスタイルにあわせて働き方が選べる勤務体系を導入。賃金や手当などの待遇改善も進め人材確保に取り組んでいる。物流2024年問題が懸念されるなか、若手配送スタッフや元気な営業マンが増えており、業績も右肩上がりで伸ばしている。

▼賃上げの継続には原資となる収益力強化が欠かせない。「厳しい環境だが売上・利益を稼いで給料を上げる。それができない業界・企業は人が集まらず、成長は難しい」。人手不足と賃上げの流れは、産業間の競争激化と淘汰を加速させる。

関連記事

インタビュー特集

Mizkan フルーティス刷新(後編) 「新・果実体験」を提供 リフレッシュしたい時に

Mizkan(以下ミツカン)は今春、食酢飲料「フルーティス」ブランドをリニューアルした。家庭用では業務用で人気の「シャインマスカット」「あまおう」「白桃」を、家庭用・業務用の双方で「ざくろ」を新発売した。

Mizkanフルーティス刷新(前編) 果実のおいしさが主役の新製法 マーケティング本部 田中菜々美氏に聞く

Mizkan(以下ミツカン)は今春、食酢飲料「フルーティス」ブランドをリニューアルした。

学生が育てるアーモンドの木 明日の社会へ価値循環 デルタインターナショナル×キャンポスブラザーズ

アーモンドの世界的産地である米カリフォルニア州でも、トップクラスの供給量を誇るキャンポスブラザーズ社。日本の販売総代理店を務めるデルタインターナショナルでは、学生の手でアーモンドの木を育てて商品化することを目指す玉川大学の...

原点は休憩中に見上げたキウイ 全国で食材発掘、生産者と企業つなぐ サッポロビールの地域創生事業

 明治9年(1876年)、北海道で新たな産業を興すべく設立された「開拓使麦酒醸造所」をルーツとするサッポロビール。創業150周年を迎える今も、その“開拓”の精神は息づく。ビール会社としての枠にとらわれない発想力を武器に、事業領域拡張の最前線で奮闘する人物に迫った。一次産業を担う各地の生産者と企業のバイヤーをつなぎ、農林水産物の需要創出をサポートするサッポロビールの地域創生事業。その原点は、外食企業のコンサルティングを手がける部署で九州の拠点に配属されていた、一人の担当者のひらめきだった。

カキ養殖の展望を聞く〈前編〉 “殻付き”市場拡大 環境変化と効率化に対応 シーパジャパン・吉本剛宏社長

瀬戸内海で養殖カキが甚大な被害を受け、生鮮市場だけでなく加工メーカーや流通にも影響が及んでいる。こうした中、従来の養殖方法とは異なるシングルシード養殖法が注目されている。