伊藤園「タリーズコーヒー」ボトル缶ブラック3品が軸足 春夏の目玉は磨きをかけた「キリマンジャロブラック」

 伊藤園は「TULLY’S COFFEE(タリーズコーヒー)」ブランドの成長を牽引している「BARISTA’S(バリスタズ)」シリーズのボトル缶3品を引き続き強化していく。

 中でも伸び盛りの「キリマンジャロBLACK」(285㎖)を3月18日にリニューアル発売して磨きをかけ、この春夏の目玉と位置付ける。

 「キリマンジャロBLACK」は2023年、販売数量が前年比約2倍と大幅に伸長。購入層と購入時間帯に特徴があり、購入層はコーヒーのメインユーザーである40代から50代の男性に加えて、20代や30代の若年層も獲得。購入時間帯は、一般的な朝だけでなく、昼以降にも多く購入される傾向にあるという。

 相澤治マーケティング本部コーヒーブランドグループブランドマネージャーは「『バリスタズブラック』とはユーザーの年齢層や時間帯が少し異なっているため、カニバリを起こすことなく好調となっている。アンケートを実施したところ、豆にこだわりを持つ若年層がキリマンジャロのオリジンに惹かれていることが判明した」と語る。

相澤治マーケティング本部コーヒーブランドグループブランドマネージャー - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
相澤治マーケティング本部コーヒーブランドグループブランドマネージャー

 家庭内でコーヒーを飲用する機会が増えたことで、コーヒーの香りや、酸味と苦味のバランスなどにこだわるユーザーから支持されている可能性もあるという。

 この好評を受け、中味とパッケージをリニューアルして勢いを加速させる。

 「一番のリニューアルポイントは、キリマンジャロの華やかな香りを高めるべく焙煎を少し見直した点にある。スッキリして苦みが少ない飲みやすさをそのままに、より香りを高めた」という。

 パッケージは、印象的な青の色合いはそのままに、東アフリカの民族柄「カンガ」をデザインした。コーヒーの産地にこだわるユーザーが多くいることを受け、産地にこだわったプレミアム感を表現したという。

 リニューアルに伴い、3月から新コミュニケーションを展開している。
 「キリマンください。」をキャッチコピーにした大々的なコミュニケーションを展開。駅の交通広告や、複数パターンの動画によるWEB広告などを実施している。

 3月14日には、キリマンジャロコーヒーの世界を体感するリアルイベントをタンザニア共和国の大使館で開催。伊藤園のコミュニティサイト「TULLY’S オンラインカフェ」の会員を対象に、タンザニアの自然や文化、キリマンジャロコーヒーについて紹介した。

 接点拡大のため、「キリマンジャロBLACK」のバリエーションも拡充していく。

売場に並ぶ紙パック入りコーヒー「TULLY’S COFFEE MY HOME BLACKキリマンジャロ」 - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
売場に並ぶ紙パック入りコーヒー「TULLY’S COFFEE MY HOME BLACKキリマンジャロ」

 ボトル缶のリニューアルと同時に、紙パック入りコーヒー「TULLY’S COFFEE MY HOME BLACKキリマンジャロ」と水出しコーヒーバッグ「TULLY’S COFFEE BARISTA’S ROAST 水出しコーヒーバッグ キリマンジャロブレンド」を新発売する。

 紙パック入りコーヒーは、同市場の拡大を受けた動きでもある。

 既存品の「TULLY’S COFFEE MY HOME BLACK COFFEE」「TULLY’S COFFEE MY HOME 微糖COFFEE」の配荷や回転も良く、好調に推移している。

 好調要因については「レギュラーコーヒーよりも便利という点が大きな理由。レギュラーコーヒーを淹れる時間は省きたいが、おいしいコーヒーを飲みたいという方が増えている」と分析する。

水出しコーヒーバッグ「TULLY’S COFFEE BARISTA’S ROAST 水出しコーヒーバッグ キリマンジャロブレンド」 - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
水出しコーヒーバッグ「TULLY’S COFFEE BARISTA’S ROAST 水出しコーヒーバッグ キリマンジャロブレンド」

 水出しコーヒーバッグも、他のカテゴリーと比較すると市場規模は小さいものの伸長している。

 「時間や手間が多少かかってもいろいろな味わいを楽しみたい、おいしいものを飲みたいという方も増えてきており、市場が伸びている。複数のバリエーションで商品展開することで、様々なところでお客様との接点を増やしていける」との見方を示す。

 今年6月には、水出しコーヒーバッグを含むコーヒーセット「TULLY’S COFFEE 水出しコーヒーを楽しむ夏のCOFFEE TIMEバッグ」を発売予定。店頭でのプロモーションも含め、夏場に向け需要喚起に取り組む。

 ボトル缶で主軸となる「バリスタズブラック」も好調。昨年は、金額ベースで2桁近く伸長した。春夏はリニューアルせずに継続して販売する。

 「バリスタズブラック」の特筆すべき動きとしては、スーパー・量販店での取り扱いの増加している点にある。

左から売場に並ぶ「バリスタズブラック」「バリスタズ無糖ラテ」 - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
左から売場に並ぶ「バリスタズブラック」「バリスタズ無糖ラテ」

 「ボトル缶は今まで自販機とコンビニが主力だったが、昨秋から行った嗜好品と連動した総合提案が奏功してスーパー・量販店での取り扱いが増加している。回転もよく今後も拡大が見込める」と述べる。

 「バリスタズブラック」で注ぎ飲みの動きがみられるなど、ホームユースの可能性も浮上。
 加えて「バリスタズブラック」や「キリマンジャロBLACK」のブラックコーヒーを前面に押し出すことで、「バリスタズ無糖ラテ」の販売にも好影響を与えていることも判明。「バリスタズ無糖ラテ」の23年販売数量は前年比2割以上伸長した。

 同商品は、ブラックコーヒーをベースにミルクを少し加えた設計のため、ブラックコーヒー愛飲層の買い回りに対応している。

 「ブラックコーヒーのユーザーが増えると、“たまには少しまろやかにして飲みたい”と思った方の買い回りが起きる。結果として、ブラックコーヒーユーザーの増加に伴い『バリスタズ無糖ラテ』も売れていく構図にある」と説明する。

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