光陽 テーブルマークグループ冷凍麺の主力拠点 「まるぐ」など成長カテゴリー担う

愛知県豊川市に拠点を置く光陽は、テーブルマークグループの冷凍麺専用工場として、安全・安心の追求はもとより、熟成麺と具材にこだわった冷凍ラーメン「まるぐ」シリーズなど、付加価値の高い重点商品の製造を担っている。記者はこのほど同社工場を視察する機会を得た。西条政彦社長は「省人化や品質向上への投資を進めながら、ひと手間かけたモノづくりにも対応できる体制を整えている」と話した。

光陽は、1992年に前身の光陽製菓に加ト吉(現テーブルマーク)が出資して冷凍麺の製造を開始、2010年に同社の完全子会社となった。

近年最大のトピックスは20年に新工場が稼働したことだ。旧工場の4ラインから5ラインに拡充・増産し、製造エリアの出入口には虹彩認証を導入するなどフードディフェンスの強化も図った。

「まるぐ」の具材は人手で(光陽) - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
「まるぐ」の具材は人手で(光陽)

現在は60~70品目を製造。なかでも中華の熟成麺はグループで唯一の拠点となり、「まるぐ」シリーズの「らぁ麺やまぐち監修 鶏コクラーメン」などを全国に届ける。「熟成麺は専用の熟成室で10時間以上、温度・湿度をていねいにコントロールして熟かせる。その効果でゆで伸びしにくく、つるみのある食感に仕上がる」(西条社長)。また簡便なトレー入りの「お皿がいらない」シリーズのうち、「汁なし担々麺」「ジャージャー麺」など中華麺タイプは光陽が一手に担う。

テーブルマークの広報担当者は「当社グループにとって中華麺は成長分野であり注力カテゴリー。これまでは今年50周年を迎える冷凍うどんを大黒柱に展開してきたが、今後は中華麺も合わせた『冷凍麺のテーブルマーク』への進化を目指している。中華麺の主力拠点である光陽の果たす役割は大きい」と説明。

和風麺は家庭用で看板商品「さぬきうどん5食」、業務用で使い勝手の良い「麺始め讃岐うどん(割子)125g」などを製造。

設備投資は順次実施。主に省人化と品質向上を目的に、「自動箱詰め機の追加」「茹でカゴ増設」「ミキサー更新」「包丁切り導入」などを行った。「FSSC22000」は16年12月に認証取得。

(左から)前川康弘取締役、西条政彦社長、前川真一品質管理部長(光陽) - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
(左から)前川康弘取締役、西条政彦社長、前川真一品質管理部長(光陽)

高品質追求の製造ラインに迫る

製造ラインは「玉うどん」と「具付きラーメン」をそれぞれ視察した。玉うどんはミキシングから製麺、熟成の工程を経て、職人技を再現した「包丁切り」で麺をカット。その後、麺にストレスがかからない大釜で10数分茹で、冷水で麺を冷ましながらしっかりと締める。出来たての麺を試食したところやや硬めだったが、家庭での調理でベストな状態に仕上がるという。

「具付きラーメン」のラインでは「まるぐ」シリーズの「らぁ麺やまぐち監修 鶏コクラーメン」を製造していた。特製の熟成麺を使用し、鶏ガラスープを入れるタイミングはラーメン店の製法を再現したことなどがポイント。また具材のトッピングは人手で行う。視察の際は5種類の具材(豚チャーシュー、鶏スライス、鶏団子、メンマ、ねぎ)をそれぞれ別の従業員が担当していた。当初、機械による自動化も試みたが、見映えなどの点で人手の方が高精度だったという。商品の完成度を上げるため、手間とコストを厭わないこだわりの強さを感じさせた。

「光陽」工場概要

▽所在地 愛知県豊川市
▽敷地面積38,205㎡、建築面積10,090㎡
▽従業員数 157人