一般財団法人食品産業センターの堀切功章会長と、食品産業中央協議会の川村和夫会長は12日、食品業界を代表して宮下一郎農林水産大臣(当時・以下同)を表敬訪問し、最近の情勢について意見交換した。この中で宮下農水大臣は、食品行政に対する両会長の協力に感謝の意を示し、農産物の高付加価値化、輸出促進などを通じ、食品業界が農業の持続的発展に協力することを求めた。
続いて堀切会長は、農林水産省の審議会では、農業生産から食品製造、流通、消費までの一貫した食料システムとして捉える必要があるとの意見を述べてきたこと、輸出、インバウンドとも伝統的な和食の良さをもっとアピールすべきこと、新しい価格体系の下で食品産業として商品の価値向上が重要であることなどについて発言した。
また、川村会長は、政府の支援もあり、コストアップを踏まえた新しい価格体系が定着してきていること、ASEAN市場全体を視野に入れて、生産者と協力して生産基盤の確保に取り組む考えであること、酪農における地球温暖化問題への対応に期待することなどについて発言した。
これに対して、宮下農水大臣は、グローバルな需要に応え、LL牛乳を含め付加価値の高い食品の輸出拡大が適正な価格による取引を通じて農業生産の拡大につながること、環境に配慮したみどりの食料システム戦略に取り組む農家に対し、グローバルなニーズの情報を有する食品産業がコミュニケーションを図ることを期待していること、遊休農地をも活用した飼料の国内生産拡大が必要なことなどについて述べた。