ハラール食「ナシゴレン」 緊急時に電子レンジで3分 尾西食品

アルファ米など長期保存食を販売している尾西食品は、このほど電子レンジでも調理できるアルファ米エスニックシリーズ(ビリヤニ・ナシゴレン)をリニューアル発売した。外国人在住者が増え、インバウンドによる外国人旅行者も増大する中で、いつ来るか分からない自然災害時の非常食として、ムスリムなどの外国人でも簡単に調理できることが特徴。

ハラール認証を取得しており、お湯や水を入れて食べる以外に、電子レンジでも調理が可能で、ローリングストックとして最適。地震など自然災害はいつ発生してもおかしくなく、緊急時は時間との勝負。商品は通常のアルファ米と同じように、お湯で15分、水では60分で食べられるが、今回のリニューアルでは電子レンジで調理すれば注水後3分(500W3分30秒)、その後3分蒸らせば食べられるようになった。電子レンジで調理するとごはんの旨味や香り、食感がアップし、おいしさが増す。

東日本大震災の発生直後より自ら被災地支援を行った日本イスラム文化センターのクレイシ・ハールーン事務局長は、「当時一番困ったのは食べ物だった。ムスリムには困ったときに助け合う「共助」の教えがあり、行政やボランティアの人が立ち入れない地域へも準備したバスで駆け付け、高齢者らにおにぎりを配布。現地の住民は、涙を流して喜んでくれた」と当時を振り返る。

クレイシ・ハールーン事務局長(日本イスラム文化センター) - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
クレイシ・ハールーン事務局長(日本イスラム文化センター)

ハラール認証の備蓄食の必要性について、「当時、非常食は今ほどポピュラーではなく、ハラール食もなかったため、現地でのムスリム支援はさらに困難を強いられた。自衛隊などが食事を用意してくれたが、その時はハラール食ではなかったためイスラム教の人は食べ物に困った。食事の面から災害に備えることは重要で、ハラールの非常食はとても大切だと感じている」と話す。新製品について「自宅や会社でもレンジがあればどこでも簡単に食べられる、備蓄にもとても便利。旅行先などハラール食が手に入らないところでも常食として食べられるのはありがたい」とコメントした。

ナシゴレンはインドネシアやマレーシアのチャーハン。ビリヤニはインドや中東などで食べられているスパイスを効かせた炊き込みごはん。いずれも伝統的な食べ物で、尾西食品ではアルファ米エスニックシリーズの一環として発売しており、今回はレンジ調理可能パッケージに切り替えた。内容量は各80g、希望小売価格(税込)410円。販売チャネルは全国大手スーパー、コンビニ、ホームセンターのほか亀田製菓公式ネットショップでも展開する。